プレー環境の構築ノウハウを蓄積・共有

 加えて、病気や障害を持つプレーヤーの技術的な課題に対応するために、ユニーズで課題解決のノウハウを収集・蓄積し、それを当事者やサポーターたちに共有することも進めていく。

 強みの一つは、過去、田中氏らが八雲病院の患者たちとともに蓄積してきたノウハウだ。身体的な制限がある場合、その状態に応じてゲームの操作方法を変える必要がある。田中氏ら八雲病院のスタッフは、小さい力でも反応するスティックやボタンを開発し用意してきた。患者の特性に合わせて自助具、あるいはマイコンを組み込んだデバイスそのものも開発する。口による操作や視線入力などを適用する場合もある。

吉成氏のプレー環境。黒いコントローラーのボディは3Dプリンターを活用して作った。また小さい力でも動かせるようにわずかな力で接点をオン・オフできるマイクロスイッチを使用。アナログスティックについては市販のコントローラーを活用しつつ、柔らかい操作感になるよう工夫したという(写真提供:吉成氏)

 プレーヤーのゲーム中の姿勢も見逃せないポイントだ。集中してプレーを続けていると不自然な姿勢で体を固定させる格好になる。これが体力の無用な消耗を招いたり、身体に負担を強いたりするため、状態を悪くするおそれもあるという。田中氏は「実際にプレーの様子を見れば、負担を回避できる工夫点についてアドバイスできる」。この工夫点はゲームのプレーだけでなく、テレワーク環境のセッティングにも応用可能だという。「仕事の生産性が上がるため、メリットは大きい」(田中氏)。

 精神障害など他のタイプの困難さを抱えている人が参加する場合も、その内容に応じた配慮が欠かせない。例えば感覚過敏や、環境の変化に敏感な人が参加する場合は、ゲーム自体には慣れや親しみがあっても、その場に見慣れぬ人がいる、あるいはいつもと手順が異なるといった要因から、不安感が増すケースがあるという。

 この場合の対策としては、体験会の進行に工夫をし、例えば段取りや手順をはっきりさせること、空間に適宜仕切りを設けること、オンラインでの参加枠を設けることなどが考えられるという。「介護職員の方々やご家族にヒアリングして最適な方法を探り、協力しながら、できるだけ多くの方々に『できる』という体験の機会をつくっていきたい」(田中氏)。