自律神経の“元気さ”とストレス度を診断

 よく知られているように、自律神経は交感神経と副交感神経からなる。起きて活動している間は脳血流を上げるために交感神経が優位になり、眠っている間は体の隅々まで血流をよくするために副交感神経が優位になる。

 自律神経の状態は、心拍数の変動の程度(CVR-R)で評価する。心臓の拍動を調節しているのが自律神経だからだ。

 心臓が拍動するとき、心電図は最も高い山を示し、この点を「R」と呼ぶ。1回の拍動から次の拍動までの間が「R-R間隔」だ。R-R間隔は長くなったり短くなったり、常に変動しているのが正常な状態。逆に自律神経に障害があると、R-R間隔のばらつきは少なくなる。CVR-Rは、その変動係数だ。

 「CVR-Rの値が高いほど自律神経の活動が活発、つまり自律神経が元気であることを示す」と島田氏。糖尿病の場合、自律神経の機能が低下するため、R-R間隔のばらつきが少なく、CVR-Rも低くなるという。

 CVR-Rが自律神経の“元気さ”を表すのに対し、心拍変動の時系列データから抽出した交感神経と副交感神経のバランスを表すのが「ストレス指標(LF/HF比)」だ。健診システムでは、この2つを用いて、心の状態をチェックする。

 下のグラフは、診断結果の一例だ。横軸がCVR-R、縦軸がLF/HF比となっている。自律神経活動が0.04〜0.10と元気なとき(赤で表示)は、周囲に対してアクティブに反応するのに脳血流を上げる必要があるため、ストレス値が大きくてもかまわない。一方で、自律神経活動が0.01〜0.04と元気でないとき(オレンジで表示)にストレス値が高いのは問題で、「うつ状態かもしれない」と島田氏は分析する。

自律神経活動の元気さとストレスの大きさの分布
自律神経の活動は周波数帯0.04以上であるのが“元気”な状態。それ以下の“元気でない”状態のときにストレス値が高いのはよくない(図:細谷クリニックのデータを基にBeyond Healthが作成)