中学校の理科教諭から創薬研究者へ転身

 ケイファーマCEOの福島氏は、中学校の理科教諭を経て創薬を志してエーザイに入社し、25年以上研究開発畑を歩んだ後、共同研究等で親交を深めていた岡野氏の誘いに乗る形でケイファーマの立ち上げに参画した。患者数が少ないために大手製薬会社が手を出しにくい難治性疾患の治療薬を患者に届けたいという一心からの転身である。福島氏は、「大学には最先端の技術ある。これをマネジメントとして橋渡しし、創薬における真のオープンイノベーションを起こしたい」と意気込む。

 一方の岡野氏がケイファーマを起業したのは、大手企業のペースで開発を進めるのではなく、「自分たちの方針に従って社会実装したい」という信念からだ。社名のケイは、慶應の頭文字である「K」に由来。慶應大学で生まれた知財をベースにした、いわゆる慶應発ベンチャーで、医学部発としては3社目となる。岡野氏は2015年に医学部長に就任した際、医学部発のベンチャーを100社作ろうと提案したが、現在は14社にまで増えている。

ケイファーマCEOの福島氏

 ケイファーマはその先駆けとして、いち早く承認を得ることで利益を獲得できれば、大学に還元して、慶應大学病院内で計画されながら進行が遅れている難治性疾患を含む医師主導臨床試験の開発費用に回せるのではないかとの期待も込められている。