大阪府西成区、かつて“ドヤ街”と呼ばれたこの地に、地域唯一のクラフトビール工場がある。さらに同じ西成に、そのビールを提供するおしゃれなカフェも。ビール工場とカフェ、その両方を立ち上げ、そして現在運営を行っているのは西成に根を張る介護事業者の「シクロ」だ。介護の専門家たちがなぜビール工房を?その秘密は西成という街の持つ特性にあった。

しゃれた外観のカフェ「Ravitaillement(アビタイユモン)」(写真:末並 俊司、以下同)

 そのおしゃれな外観に、まずは軽い違和感を覚えた。ここは日本最大のドヤ街といわれた大阪府西成区だ。似つかわしくないといえば叱られそうだが、コンクリートを打ちっぱなしの外壁に、店の正面は奥まで見渡せる一面のガラス張りだ。

 店名の「Ravitaillement(アビタイユモン)」はフランス語でレースの中継点を意味する。ヨーロッパにはそうしたカフェが街のそこかしこにあるらしい。

 この店の人気商品は、ずばりビールだ。それが西成らしいといえばいえる。しかし、ただのビールではない。自前の工場が生産する西成唯一のクラフトビールなのである。

 一番人気である「西成ライオットエール(800円税込)」をいただいた。鼻から抜ける爽やかなホップの香りが心地よく、フルーティな後味も大変よろしい。

「Ravitaillement(アビタイユモン)」で提供するクラフトビール。自前の工場で生産する