「意外」だった医療領域からのアプローチ

 まとめられたプランの中でダイキンが最も期待を寄せるのは、核酸アプタマーの活用だ。アプタマー(Aptamer)とは「特異的に標的物質に結合する能力を持った合成DNA/RNA分子」(日本薬学会「用語解説」)。リボ核酸(RNA)やデオキシリボ核酸(DNA)の立体構造により、細胞や組織のたんぱく質機能を無効化できる。「抗体に代わる分子認識が可能な生体物質として、生物工学的応用、薬剤への応用が検討されている」(同)という。

 特定の菌やウイルスを選択的に吸着できるので、例えばマスクに用いれば、目が粗くても菌・ウイルスの侵入を防げる。装着したときに呼吸が苦しくなりにくいといった利点が得られそうだ。

 それをダイキンの技術と組み合わせた場合は、まずフィルターへの応用が考えられる。一般に空調機器のフィルターは、目が細かければ細かいほど風を流すのに必要な力が大きくなる。粗くても十分な効果が得られれば、消費電力の低減などの効果が得られる。選択的にカビを捉えられるように設計すれば、エアコン内部にカビが付着しにくくなり、供給される空気の清浄度が高まる上、メンテナンスの手間を軽減できる。

 医療の領域に含まれる核酸アプタマーの技術が寄せられたことは、同社にとって「意外なことだった」(三谷氏)。元々、医療は同社が得意とする領域ではなく、そのアプローチで連携先を探す試みはなかったのだ。そのため「こういう所に面白い技術があるんだなと知ることができたと同時に、自社技術にも『まだ役立つ余地がある』と再認識した」(同氏)と、AirTech BootCampの1回目を総括する。