臨床現場で奮闘する医師や看護師、薬剤師、理学療法士らは、日々の活動の中で様々な“困りごと”を体感している。こうした“困りごと”を数分間のショートピッチで発表する「がん領域臨床ニーズマッチング会」が2021年10月13日、オンライン開催された。アイデアの種を医療機器の製販企業、あるいはものづくり企業と結びつけ、医工連携の橋渡しを図ることが目的だ。

 タイトルからわかるように、今回のテーマはがんに特化したものとなる。ピッチには、国立がん研究センター東病院、国立がん研究センター中央病院、がん研究会有明病院と、日本を代表する3つのがん専門病院の医療従事者が参加した。中でも千葉県柏市の東病院はかねて医療機器開発に注力してきたことで知られ、2017年5月には次世代外科・内視鏡治療開発センター(通称NEXT)を開設。NEXT内に医療機器開発センターを設け、臨床ニーズと産業シーズのマッチングから臨床導入までを行なっている。

 また千葉県では新規産業発掘をにらみ、2014年度(平成26年度)から医工連携の取り組みを進めてきた。今回のニーズマッチング会はその一環となるもので、東京都と連携して継続的に開催している。2015年には、東病院 大腸外科長の伊藤雅昭氏(先端医療開発センター 手術機器開発分野長兼任)の指導のもと、腹腔鏡手術支援ロボット開発ベンチャーのA-Traction(エー・トラクション)が柏キャンパスから誕生。A-Tractionは2021年に医療機器メーカー、朝日インテックの完全子会社となるなど、実ビジネスでも大きな成果が出てきている。

各発表についてコメントした東病院 大腸外科長の伊藤雅昭氏(写真:オンラインセミナーのスクリーンショット、以下同)
各発表についてコメントした東病院 大腸外科長の伊藤雅昭氏(写真:オンラインセミナーのスクリーンショット、以下同)
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 以降では、患者のQoL(生活の質)向上や、汎用的なヘルステックにも応用できそうなアイデアを中心に紹介していく。