障害者グループホームは民間からの提案

 「あかいわハートフル太陽」で特徴的なのは、事業者選定の手法だ。まず、施設の設計者選定を指定管理者選定後にしたこと。これは、より運営しやすい施設づくりを目指し、指定管理者の意見を設計に取り入れるためである。

 赤磐市は指定管理者の意向を反映させた施設の条件書を作成して、設計・施工事業者の選定に入り、大和リース岡山支店を代表企業に、地元岡山のユー・ディ・ディ設計も加わった企業グループと、設計・施工一括(デザインビルド:DB)契約を締結。その後も関係者が会議を重ねて詳細を煮詰めていった。利用者に目が届きやすく、かつスタッフの動線が短くなるようにサービスステーションの配置場所に配慮したり、災害時に福祉避難所となるよう太陽光発電パネルや備蓄庫を設けるなどの工夫が凝らされている。

 例えば、2階北側の5室と食堂、居間、浴室などで構成される一角にある障害者グループホーム(共同生活援助)。指定管理者募集の際の条件にはなかったが、昭友会側からの提案で盛り込まれた。日中職場や作業所で働いたり、病院などのデイケアに通う障害者が、生活指導員などからサポートを受けて日常生活を送る場所だ。現在3人の障害者がここで生活している。

 もう一つの特徴的な事業者選定手法は、指定管理者の募集・選定の過程で、応募者は市と事前相談を行い、公募時の事業内容を変更できるようにしたこと。ハートフル太陽は利用料金制で指定管理が行われるため、事業採算を見ながら調整していく必要があった。

 事前相談で変更になった部分としては、ショートステイの機能がなくなったことが挙げられる。指定管理者募集の際には、小規模多機能型居宅介護のほか、ショートステイと地域交流スペースの開設が必須とされていた。このうち定員20人分での運営が求められていたショートステイは、事前相談の段階で採算および近隣との競合を理由に外され、地域交流スペースは予定通り1階に設置された。

エルダー代表取締役の津島周史氏

 入居者集めのPRは順調のようだ。エルダー代表取締役の津島周史氏は、「これほどスムーズに入居が進むと思っていなかった。赤磐市はチラシで広報してくれ、2回の見学会に計500人の住民が訪れるなどそのバックアップは大きかった」と語り、オープン4カ月目で手応えを感じている。同時期の小規模多機能の登録者数は10人強。全体の採算はなんとか黒字になるぐらいの見通しであり、大きな規模の事業ではないが、施設運営の事業性だけでなく、「公設民営」「共生」の事業に参加したことで、たくふう会グループのブランド向上の効果があると期待している。加えて、職員採用の面でもプラスになりそうだという。