地域住民が気軽に立ち寄れる地域交流スペースも

OSKヘルスプロモーション代表取締役社長の石尾正紀氏

 ハートフル太陽の賃貸料は月額で52万8000円。民間事業者が分担して負担している。OSKヘルスプロモーション代表取締役社長の石尾正紀氏は、「家賃が安くて助かる。開設・運営コストは町中で展開する場合の10分の1程度だから、思い切ったチャレンジができる」と話す。施設内のサ高住の入居者で運動教室に参加する人もおり、公設民営の複合施設で、介護予防や健康づくりの事業を展開するメリットが出ている。

 一方で市が所有する施設なので、無料で利用できると思っている住民も少なくないため、有料の利用者を確保するには苦労もある。石尾氏は、働き盛りの人を対象にしたダイエットのための運動教室を市の負担で開催するなどして、利用者確保に取り組んでいこうと考えている。市もPR面などでバックアップしていくという。「まずは強みである運動から手掛け、新しいプログラムの開発や自治体・他の事業者と連携するノウハウを蓄積していきたい。子育て支援の拠点づくりも行う」(石尾氏)。

 ハートフル太陽の周囲には、熊山診療所のほか、デイサービスセンターなどが入った市の保健福祉総合センターやJAもある。赤磐市保健福祉部健康増進課課長の石原万輝子氏は、「市が運営する地域交流スペースは、近くのお店やこうした施設に来た際、ふらりと立ち寄れる喫茶店のような場所にしていきたい。壁を取り払えば30人以上が入れる広さがあるから、子供を含む地域住民の方のサークル活動などに活用してほしい」と話す。

ハートフル太陽1階に市が設けた地域交流スペース。地の利を生かし、地域住民が集まる拠点づくりを目指す

 総務省が進める自治体病院の再編・ネットワーク化には、跡地利用の問題がついてまわる。2019年下旬には、厚生労働省が再編統合も視野に入れた医療機能の見直しを求める公立・公的など424病院のリストを公表、自治体病院の再編の流れが加速しそうだ。公民連携で複合型介護福祉施設をオープンした赤磐市の取り組みは、一つのモデルとして参考になるだろう。

赤磐市(あかいわし)
岡山県中南部に位置する。2005年3月7日、赤磐郡内の山陽町、赤坂町、熊山町、吉井町の4町が合併して誕生した。南部の山陽地域は岡山市のベッドタウンとなっている。人口44,180人(2019年10月1日現在)面積209.36m2

(タイトル部のImage:井上 俊明)


出典:「新・公民連携最前線」2019年10月24日付の記事より