ロボティックスマートホームの中身とは…

 実際のロボティックスマートホームの中身はどういったものなのだろう。

 もとからある箱に、後づけで機器を配置したのではなく、箱を作る段階からデザインしているおかげで、それぞれの機器がまさにスマートに連携している。冒頭で紹介した生活支援ロボットのとよちゃんは、ロボット然としているのでわかりやすいが、これ以外にも様々なロボットたちが活躍している。

 天井のレールに沿って歩行を助けるのは「歩行支援ロボット」だ。可動式の吊り下げ装置が補助するおかげで不意の転倒を防いでくれる。

スタッフに歩行補助ロボットを試用して頂いた

 「例えばリビングでは、レールそのものが縦横に可動するので、部屋のどんな場所でも行きたいところに吊り下げの補助を受けながらたどり着くことができます」

 ソファーの前に設置されているのはただのテレビではない。

 「自宅にいながらにして健康体操などを体験することができます。CGアバターの動きに合わせて体を動かすことで、楽しみながら運動することができ、また『遠隔コミュニケーション』の機能もあるので、離れた場所にいる医師やリハビリテーションスタッフからの助言をその場で受けることもできる」

 車椅子型の移乗支援ロボットも頼もしい存在だ。

 「これはまだプロトタイプですが、要介護者の声を隅々にまでフィードバックしたロボットです」

ベッドにぴったり“幅寄せ”可能の車椅子型ロボットから自力で移乗

 いくつになっても自宅で過ごしたい。多くの人が本心ではそう思っている。しかし実際はその望みを断たれてしまうことが少なくない。

 例えば車椅子生活者の場合。便器への移乗ができないために自宅での生活を断念するといったことが起こる。それ以外は何不自由なくできているのにだ。移動・移乗の不自由は、自立の最大のネックといっていい。

 藤田医科大学が開発した移乗支援ロボットはまさに「痒いところに手が届く」機能を複数備えている。

 「やってみるとわかるのですが、狭い室内で車椅子をベッドに隙間なくぴったりつけるのは実は難しい。何度も切り返して、やっと近づけるのですが、やっぱり隙間が開いてしまう。私達が開発した車椅子型の移乗支援ロボットは、特殊な形状の車輪を採用することで横移動が可能です。なので、ベッドに隙間なく近づくことができる。

 さらに、乗り移りの際に障害となりやすい肘置きを収納することができるので、半身が麻痺しているような方でも一人で移乗が可能です」

 これらロボットがそれぞれの能力を120%発揮できるよう、ロボティックスマートホームは今日も進化を続けている。またこの取り組みの一部は、知の拠点あいち重点研究プロジェクトIII期に採択されており、IoTの充実などのさらなる加速が期待される。

 超高齢化社会に足を踏み入れている我が国だが、藤田医科大学の取り組みが広く普及すれば、いつまでも安心して自宅で過ごすことができる社会が到来するはずだ。

(タイトル部のImage:末並 俊司)