インターネットを使い、病院での治療の様子をリアルタイムに配信しながら、視聴者会員と双方向で情報交換しながら手技を学べる──。医師向け症例検討プラットフォーム「e-casebook」を運営する医療ITベンチャーのハート・オーガナイゼーション(大阪市淀川区、代表取締役:菅原俊子氏)が今年4月に始めた新サービス「e-casebook LIVE」。国内外のどこにいても視聴でき、従来の学会ライブのような“難しい症例”だけでなく、臨床の場面で“日々出会う症例”についても、手術の適応や検査結果の解釈の仕方などをオーソリティーの医師に質問しながら学べるのが最大の特徴だ。これまで忙しさや距離がハードルとなり、他施設での研修や研究会への参加が難しかった若手の医師が、勤務先や自宅に居ながら専門医から治療技術を学べ、医療連携にも寄与するサービスとして注目を集める。

浦添総合病院セミナールームで行われたオンラインワークショップの様子(写真:前新直人、以下同)

 9月6日、沖縄県浦添市にある浦添総合病院で行われたオンラインワークショップ。国内外からインターネットを使って参加したe-casebook会員(医師)のパソコン、スマートフォンの画面には、冠動脈造影画像や心臓カテーテル室での手技の様子など、同病院のセミナールームのディスプレーと同じ映像が映し出されていた。

登録者はパソコンやスマホでライブを視聴できる。

 e-casebook LIVEを用いた、このオンラインワークショップの参加者数は154人。座長を務める浦添総合病院循環器内科主任部長の上原裕規氏が「ここに示されたデータなどを踏まえ、この症例には薬物療法とPCI(経皮的冠動脈インターベンション)のどちらが適切と考えるか、皆さん、アンケートにお答えください」と話した途端、画面上にはアンケート結果のグラフが現れ、数値がめまぐるしく動き出した。

治療方針などに対するアンケートの結果がリアルタイムにライブ画像に表示される。

 今回のワークショップのテーマは、PCIの適応を判断するための指標であるFFR(心血流予備量比)とRFR(resting full-cycle raio)の違いを理解し、実臨床に生かすにはどうするか。この分野のオーソリティーである東京医科大学八王子医療センターの田中信大氏を招き、浦添総合病院で実際の6ケースの治療を行いながら議論を進める。