夜は手薄になりがち

 特養や民間の介護付き有料老人ホームは入居者3人に対し、介護・看護職員を1以上配置するよう法律で規定されている。ただしこれは24時間を均(なら)して考えた場合の数字だ。夜間は20の入居者に対して1人以上の職員を配置すればよい。

 「夜間は特に、目を離したすきに歩き回って転倒するなどの事故が起こりがちです。そのたびに病院に連れて行っていたのでは仕事になりません。逆に『痛がっていないからほっといていいや』というのもだめ。そのようなケースでも我々のサービスなら24時間対応ですので、気兼ねなく連絡をいただければ対応します」

医療相談にチャット機能で応える青柳氏(撮影:末並 俊司)

 言葉で伝わりにくい場合は、タブレットやスマホなどで映像・画像を送ることもできる。そうした情報を手がかりに、医師や看護師が的確なアドバイスを送るわけだ。

 「現在80の施設にご契約頂いています。料金は利用者おひとりに対して680円からです。つまり50床の施設であれば680円×50からということです。導入初期にはスタッフひとりを張り付けて、システムの導入から日常のオペレーションに組み込まれるまでお手伝いします」

 現在、皮膚科、内科医、精神科の専門医に加え、20人前後の看護師がシフトを組んで、24時間365日の医療相談をこなしているという。

 いつでも手軽に医療相談ができることが現場職員や入居者本人の不安解消に役立っているのはもとより、システム導入することで、通院の回数も減っているという。

 「ちょっとした打ち身でも、以前は病院に連れて行っていた。そのような施設でも、我々のアドバイスを受けることで通院せずに済むというケースが増えています。入居者さんをひとり病院に連れて行くには最低でも1~2人のスタッフの手がかかります。前準備から病院での待ち時間、施設に戻ってからの処置を考えると半日仕事。その分現場が手薄になるし、費用もかさむ。これをドクターメイトのシステムに代替させることで、マンパワーと費用の両面を削減することができる」

導入実績(提供:ドクターメイト)

 導入例の中には、通院回数を皮膚科で70%、精神科で53%、それぞれ削減することができたとする事業所もあるという。

 団塊の世代が後期高齢者となる2025年はもうすぐそこだ。青柳氏の言う「介護施設の病院化」は今後もしばらく続きそうだ。介護する側、される側の安心を担保する仕組みはあればあるだけありがたい。

(タイトル部のImage:patpitchaya -stock.adobe.com)