「キングスカイフロント」は、ライフサイエンスと環境分野を中心に世界最高水準の研究開発や新産業の創出を目指し、川崎市殿町で整備が進められているオープンイノベーション拠点。今年10月までに、敷地面積約40万ヘクタールのうち78%の整備(誘致)が済み、国立医薬品食品衛生研究所やライフサイエンス系のグローバル企業、大学など67機関の進出が決定した。ただ、日本でオープンイノベーション、エコシステムと呼ばれる異分野・異業種の協業・連携が根付き、技術の種が社会実装まで育つかどうかは未知数。キングスカイフロントはその先駆けとなるか。プロジェクトの現状や今後の展望、課題について、川崎市臨海部国際戦略本部 国際戦略推進部長の高橋友弘氏に聞いた。

川崎市臨海部国際戦略本部 国際戦略推進部長の高橋氏(写真:川島 彩水、以下同)

キングスカイフロントはどのような経緯でできたのでしょうか。

高橋 キングスカイフロントの「キング(KING)」は、「Kawasaki INovation Gateway」の頭文字と、「殿町」という地名に由来します。また、「スカイフロント」は、羽田空港の目の前で、現在整備中の羽田連絡道路が完成すれば空港から歩いて15分という世界に開かれた立地であることを示しています。自動車工場移転後の休遊地を新たな産業育成の場とするため、開発されたエリアです。

 日本の現状と課題、川崎市の強みを生かした土地活用を考えた結果、これから世界的な成長が期待できる「ライフサイエンス」と「環境」分野のオープンイノベーション拠点とすることにしました。この分野でのグローバルビジネスを生み出すことで日本の成長戦略の一翼を担うことを目標にしています。

 10月1日時点で、キングスカイフロントに進出を決めた機関は67。創薬、創薬支援分野では、富士フイルム富山化学やペプチドリーム、再生医療ではタカラバイオやリコー、医療機器分野ではジョンソン・エンド・ジョンソンや日本メドトロニックなど。このほか、慶應義塾大学や東京工業大学などのアカデミアもタウンキャンパスやラボを設置しています。