子供、孫、兄弟、誰にでもなれるひろちゃん
体重は500グラム程度。表情のない顔に、短い手足。どうやら人間の赤ちゃんらしいが、性別や正確な年齢は分からない。手のひらにあるスイッチを押すと目を覚まし、放っておくと「エーン、エーン」と泣き始める。抱き上げてあやすと「きゃっきゃっ」と嬉しそうな声を出し、退屈してくると「ムニャムニャ」と赤ちゃん語をつぶやく。
隆生福祉会理事長室室長の久保田真子氏はこう解説する。
「ひろちゃんはとにかくかまってもらいたいのです。目鼻口がついていないので、表情はわかりませんが、ご利用者様はそこに笑顔や泣き顔を想像してあやされます。また、顔がないからキャラクターは自由です。ご兄弟のお世話をしていたころのことを思い出してあやしている方もいらっしゃれば、お子様や孫お孫様としてお世話をやいている方もいらっしゃるようです」
表情がないぶん、使っている人の想像力のじゃまをせず、より愛着を持たせる効果があるのだ。