音楽フェス「SOCiAL FUNK! 2019」に足を運んだ。フェスのキーワードは「芸術と人間科学」。疾病、障害、LGBT、SDGsといった社会課題を「楽しみながら知る」ことを掲げており、社会事業家や芸術家や研究者のトークライブ、最新技術の展示も交え、個性的なイベント空間をつくり上げた。ライブパフォーマンスを楽しむ車椅子ユーザーも数多く見受けられた。SOCiAL FUNK!に、将来の超高齢社会に求められる娯楽イベントのあり方を見る。

 紅葉が目立ち始めた11月末、東京・渋谷にあるライブスペースで、一風変わった趣向の屋内音楽フェスが開催された。その名も「SOCiAL FUNK! 2019」だ。

 最大のポイントは、「芸術と人間科学」というキーワードの下、疾病、障害、LGBTといった社会的なテーマを積極的に掲げていること。会場内にはアーティストのライブやDJスペースはもちろん、社会課題を扱う事業家や芸術家によるライブトーク、介護やSDGs(持続的な開発目標)分野の技術体験ブース、障害者雇用に積極的な飲食店のブースなどが用意された。

ライブスペースやDJブースで盛り上がる人々。車椅子を必要とする人たちも健常者と同じように、音楽とパフォーマンスを楽しみ、演じている(写真:黑田 菜月、以下同)

 主催しているのは「医療福祉エンターテインメント」を掲げるNPO法人Ubdobe(ウブドべ)。2010年から開催し続けてきた。「SOCiAL FUNK!の狙いは、がんや臓器移植、認知症、障がい、介護といったテーマとそのポイントを、カジュアルに伝えていくこと」。こう語るのは同法人代表の岡勇樹氏だ。

 「楽しい、美しい、面白いというのは人類共通の関心事。医療や福祉というヘビーなテーマにこれらの感情を引き起こす音楽やアートを掛け合わせることで、医療や福祉のことを、社会にもっとカジュアルに伝えられると考えた」(岡氏)。

NPO法人Ubdobe(ウブドべ)の岡勇樹代表。厚生労働省介護人材確保地域戦略会議構成員、東京オリンピック・パラリンピック競技大会推進本部ユニバーサルデザイン2020関係府省等連絡会議構成員など、医療・介護・福祉関係の分野の役職も担う。なおSOCiAL FUNK!は厚生労働省も後援団体として名を連ねた