政府がスポーツを通した健康増進を推進する中、運動嫌いの小・中学生が増えているという。電通国際情報サービス(ISID)は、子どもの運動能力を測定して適正種目を提案するシステム「DigSports」を開発した。センサーや人工知能(AI)を活用して子どもの運動能力を測定し、その子に向いた種目を判定するシステムだ。子どものうちからスポーツに親しむことで、将来のスポーツ人口の増加を狙う。

 政府は「日本再興戦略2016 ー第4次産業革命に向けてー」において、スポーツ市場規模を2015年の5.5兆円から2020年までに10兆円、2025年までに15兆円まで拡大すること、さらには週1回以上スポーツを実施する成人の割合を、現状の40.4%から2021年までに65%へ高めることを目標に掲げた。そのための施策として、参加しやすい新しいスポーツの開発・普及やライフステージに応じた運動・スポーツプログラムの充実、障害者スポーツの環境整備などを実施し、年代や男女などの区別のないスポーツ実施率の向上を図るとしている。

 一方で、このような統計もある。世界保健機構(WHO)が世界168カ国・地域で実施した調査によると、世界では男性の4人に1人、女性の3人に1人が健康を保つための十分な運動をしていない(2018年9月5日付日本経済新聞)。高所得国で運動不足の人の割合が高く、日本でも36%の人が運動不足だという。

 生活習慣病の発症や加齢に伴う生活機能の低下、メンタルヘルスの不調などを防ぐのに運動が有効であることは、多くの人が認めるところだろう。しかし実際は、仕事が忙しくて時間が取れない、身近に施設・場所がない、そもそも何をしてよいのか分からない、といったさまざまな理由から運動をしない人が多いであろうことも、容易に想像できる。

 電通国際情報サービス(ISID)が提供する仕組みは、こうした状況を変える手段の1つになるかもしれない。同社は、センサーや人工知能(AI)を活用して子どもの運動能力を測定し、その子に向いた種目を判定するシステム「DigSports」(ディグスポーツ)を開発。2019年8月に製品化し、全国で体験イベントを開催するとともに、自治体やスポーツ施設などに導入を働きかけている。

 目指すのは、子どもが自分に合った種目を知る機会を作り「アスリートを目指したり、生涯楽しめるスポーツと出逢ったりするきっかけを創出する」(同社)こと。子どものうちからスポーツに親しんでいれば大人になっても運動を続けられるのではないか、という将来のスポーツ人口の増加へ向けた提案だ。