ジーンズ脇の特殊パッドで転倒時の骨折を防ぐ

転倒時に対応した「プラスパッドジーンズ」も興味深いですね。

上田 こちらは実は、リフトアシストジーンズのベースになっているモデルでして、ターゲットは75歳以上の後期高齢者の方々です。腰の部分に特殊なパッドであるヒッププロテクターが入れられる構造で、万一転倒した際にも、ヒッププロテクターが大腿骨頸部を守り、骨折率を下げるようになっています。

 ヒッププロテクターには、カネカと芝浦工業大学が共同研究で生み出した衝撃吸収パッドを使っています。実証データもある、確かなものです。6mmと薄いものの吸収性は高く、しかも体温によって温まると柔らかくなって体に沿うので、装着時の違和感が少ない。そのうえ外観はジーンズそのものというのが売りです。審査を経て日本転倒予防学会の推奨品にも選ばれている、世界でも珍しい「お医者さんが勧めるジーンズ」となっています。

 欧州の調査によれば、ヒッププロテクターがあると転倒した際の骨折が6割ほど減ります。ところが多くの場合、ヒッププロテクターが邪魔になりやすく、なかなか装着されないというのが課題でした。

 リフトアシストジーンズと同じく、ご家族がプレゼントとして買っていかれるケースが多いです。いわゆる介護用品をプレゼントするといっても、プレゼントとして贈られるほうは心理的な抵抗感が強い。でもこちらは見た目ジーンズそのものですし、ヒッププロテクターは本人が嫌であれば外して普通のジーンズとしても履けます。

「プラスパッドジーンズ」のヒッププロテクター。ジーンズの内側のポケットに装着。脇の大腿骨頸部にフィットするように調整する。なお同じシリーズでチノパンタイプも販売している(写真:筆者が撮影)
「プラスパッドジーンズ」のヒッププロテクター。ジーンズの内側のポケットに装着。脇の大腿骨頸部にフィットするように調整する。なお同じシリーズでチノパンタイプも販売している(写真:筆者が撮影)
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カネカと芝浦工業大学による衝撃吸収パッドの研究データの可視化図。パッドを入れることで、骨にかかる衝撃(赤色で示されている)が激減する(画像提供:エナジーフロント)
カネカと芝浦工業大学による衝撃吸収パッドの研究データの可視化図。パッドを入れることで、骨にかかる衝撃(赤色で示されている)が激減する(画像提供:エナジーフロント)
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