ミツバチやハエの応用も目指す

 昆虫の嗅覚受容体は、特定の匂い分子と結合するとイオンを透過させ、微小な電流が流れるという特徴を持つ。開発した匂いセンサーでは、この微小なイオンの流れ(イオン電流)を計測することで、嗅覚受容体1分子レベルの挙動を捉えている。そのため、匂い分子を高感度で検出する感度を実現できたというわけだ。

 既に、複数の昆虫に関しては、嗅覚受容体が特定の匂い物質を検出できることが分かっている。例えば、ミツバチは肺がんやヘロイン、コカイン、ショウジョウバエは肺がんやかび、覚せい剤、ハマダラカは肺がんや人の汗の匂い、をそれぞれ検出できるとされている。研究チームでは、さまざまな嗅覚受容体を使うことで、疾病の診断や環境評価、爆発物検知などに役立つ匂いセンサーの実現を目指していく。


(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)