「大人のがん教育は、企業が主体的に行うべき」

 中学・高校の学習指導要領の中にがん教育が明記され、中学校は2021年度から、高校は2022年度からがんに関する授業が全面実施。小学校も学習指導要領にないものの2020年度から先行して実施される。記者説明会に登壇した東大医学部の中川氏は、「子どもたちが学校でがんについて学ぶようになると、世代間の格差が生じる。大人のがん教育は、企業が主体的に行うべきだ」と訴えた。

東京大学医学部附属病院の中川氏

 中川氏は、がんは最低限の知識の有無で運命が分かれる病気だとも指摘。「男性では60~75歳、女性では35~75歳くらいの間にがんで死なないことが、人生100年を謳歌するために必須。リテラシーの度合いによって、がん検診受診率も大きな差が出る」とし、大人のがん教育の重要性を強調した。

 今回の従業員向けがん教育は、中川氏のこうした考えに富士通が賛同して実施にこぎ着けた。「(今回のプログラムは)富士通と協力しながら非常に良い内容になっている。わかりやすく、おそらく興味を持ってe-Learningを進めてもらえるだろう」(同氏)と自負した。

 富士通では今後、e-Learningのプログラムを厚生労働省の委託事業である「がん対策推進企業アクション」を通じて、パートナーの3210企業・団体に在籍する約8万人の従業者にも提供する予定だ。


(タイトル部のImage:Beyond Healthが撮影)