●社会福祉法人藤野園

 群馬県藤岡市にある社会福祉法人藤野園は、養護老人ホームと軽費老人ホームの組み合わせに、訪問介護事業所、居宅介護支援事業所を運営する、職員数30人ほどの小規模法人だ。

 法人本部長の大嶋茂氏によると、「とにかく使えるお金がない」。だが、必要なものは欲しいので、「『DIY福祉』を進めてきた」という。自分で何かを作ったり修繕したりするのがDIY。「(人手もお金も)無い無い尽くしの解決策は一つ。無いものは作る、作る知識がなければそれを習得すること」と大嶋氏。本当に何が必要かを吟味し、施設の課題を解決するために作るので、「痒いところに手が届くオーダーメイドなものができあがる」とメリットを語る。

 もともと趣味が木工だった大嶋氏。脱衣所の限られたスペースを最大限生かした長椅子を作ってみたり、木工旋盤を使って湯呑みの蓋を作ったりといった取り組みから始め、今では様々なテクノロジーも活用しながら、システムや機器の開発を進めている。

 例えば、Raspberry Pi やGoogle ドライブを活用し、ほぼすべての文書をデータとしてクラウド上に保存し、職員間で共有することでペーパーレス化を実現。2年前には3Dプリンターを購入し、映画『スター・ウォーズ』シリーズに登場するロボット、「R2-D2」を実寸大で製作し、施設内を巡回して見守る機能を持たせた。公開されているCAD(コンピューターによる設計)データを使い、製作には1年半を要したという。

 今後の課題として大嶋氏は、プログラミング言語の「Python」をもっと習得する、CADの製作スピードをアップする、クラウド上のファイルを自動ソートしてくれるスクリプトを探すといったことを掲げており、手助けしてくれる企業などからの提案を呼びかけた。同時に、「こんな試作品を使ってみてほしいとか、製品企画の段階での持ち込みもwelcomeで、協業していいものをつくりあげていければ」と結んだ。

社会福祉法人藤野園法人本部長の大嶋茂氏
社会福祉法人藤野園法人本部長の大嶋茂氏
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(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)