内視鏡的治療か外科的治療かの判断を支援

 大腸内視鏡の診断で難しいのは、「早期がんの治療方針の決定」と昭和大学横浜市北部病院 消化器センター 講師の三澤将史氏は話す。そもそも大腸がんは、固有筋層までがんが浸潤しているかどうかで早期がんと進行がんに分類される。このうち早期がんは、壁深達度に応じて内視鏡的治療か外科的治療のどちらかを選択する必要がある。

大腸がんの分類(出所:三澤氏の発表資料、以下同)

 具体的には、粘膜下層に1mm以上浸潤している壁深達度T1bと診断された場合は外科的腸切除が必要であるのに対し、粘膜層のみの浸潤である壁深達度Tisまたは粘膜下層に1mm未満の浸潤であるT1aと診断された場合は内視鏡切除で根治が可能とされている。

左2枚は内視鏡的治療で根治可能な早期がん、右2枚は外科的治療が必要な早期がん

 つまり、大腸内視鏡診断で病変を発見した後は、(1)腫瘍か非腫瘍かの鑑別診断、(2)腫瘍の場合は良悪性の診断、(3)悪性の場合は内視鏡的治療で根治可能なのか外科的腸切除が必要かの診断、の3段階を踏んで治療方針を決める。既に販売されているEndoBRAINは、(1)の腫瘍か非腫瘍かを診断する際に支援してくれるソフトウエアである(関連記事:AIで大腸の腫瘍を見極める―“幻のがん”発見から30年の道のり)。

 これに対して今回発売するEndoBRAIN-Plusは、(2)の診断を支援し、良性腫瘍なのか浸潤がんなのかの可能性を提示してくれる。医師は判別結果を参考にしながら、(3)のフローに進み、内視鏡的治療または外科的腸切除を選択できるというわけだ。

 三澤氏らは、EndoBRAIN-Plusの性能を評価するため、50病変を対象にした500枚の静止画像をEndoBRAIN-Plusで解析し、病理結果と比較を行った。その結果、浸潤がんに対する感度(浸潤がん病変のうち正しく浸潤がんと判断された画像の割合)は92.8%、浸潤がんに対する特異度(浸潤がんではない病変のうち正しく浸潤がんではないと判断された画像の割合)は97.3%という結果が得られたという。

昭和大学横浜市北部病院 消化器センター 講師の三澤将史氏(写真:オンライン記者会見の画面キャプチャー)