スマートフォンで食品のバーコードを撮影すると、原材料名表示を基に添加物の量や内容を識別し、食品の“健康度”をAIが判定してくれる。そんなアプリが登場した。オンラインゲームやヘルスケアアプリを手掛けるシグナルトークが2021年2月4日から提供開始した「FoodScore」だ。

「FoodScore」アプリを起動させて食品のバーコードを撮影している様子(写真:2021年2月4日に開催されたオンライン記者発表会の画面キャプチャー)
「FoodScore」アプリを起動させて食品のバーコードを撮影している様子(写真:2021年2月4日に開催されたオンライン記者発表会の画面キャプチャー)
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 健康度はA~Eの5段階で判定される。Aは「完全無添加」、Bは「添加物が少ない食品」、Cは「普通の食品」、Dは「添加物が多い食品」、Eは「避けた方が良い食品」という分類である。

 健康度の判定には、同社が過去のヘルスケア事業で収集した約7000人分の食生活と疾患のデータや、添加物の摂取と症状の関係を示すデータ、米国食品医薬品局(FDA)が発表している添加物が人体に与える影響のデータなどが活用されている。これらのデータをAIに学習させ、食品の原材料に含まれる添加物と症状の関連リスクを計算し、好影響を加点方式、悪影響を減点方式で評価したものを健康度として算出する。

 具体的な使い方はこうだ。スマートフォンで食品のバーコードや原材料名表示を撮影すると、100点満点のスコアとA~Eの5段階で健康度が評価される。スコアがB以下の場合は、AIが「悪影響がある原材料」と判定した添加物が表示される仕組みだ。

バーコードや原材料名表示を撮影(提供:シグナルトーク、以下同)
バーコードや原材料名表示を撮影(提供:シグナルトーク、以下同)
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健康度判定画面のイメージ
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体に悪いものも「上手に摂取」へ

 現在、多くの人が、「何をどれだけ食べれば頭痛や腹痛、花粉症といった症状が引き起こされるのか分からないまま食事をしている」と同社 代表取締役の栢孝文氏は指摘する。その結果、気づかないうちに病気を発症してしまったり、自分に合わない食生活を続けてしまったりする恐れがある。

 そこで、FoodScoreによってそれぞれの食品の健康度が数値化できれば、データを基に自分に合う食品を選び、健康的な食生活に導くことができるのではないかと考えた。買い物をする際に、「安いから」「美味しそうだから」という理由だけではなく、「健康になるから」という軸が加わり、行動変容につながることを期待しているという。「単に体によいものだけを食べようと呼びかけているのではなく、体に悪いものも上手に摂取することにつなげたい」と栢氏は語る。

シグナルトーク 代表取締役の栢孝文氏(写真:オンライン記者発表会の画面キャプチャー)
シグナルトーク 代表取締役の栢孝文氏(写真:オンライン記者発表会の画面キャプチャー)
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 しかしこれまでは、体によい食品を探す際に、商品の原材料名表示を見て、添加物が含まれているかどうか一つひとつ確認しなければならず消費者の手間がかかっていた。こうした手間を省くため、FoodScoreのアプリ内には、健康によい食品をより手軽に購入するための「フードリスト」と呼ぶ機能も搭載している。

フードリストの画面イメージ(提供:シグナルトーク)
フードリストの画面イメージ(提供:シグナルトーク)
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 市販されている商品とその健康度がリスト化されたページで、ECサイトへのリンクから簡単に商品を購入することができる。ユーザーが美味しさの評価や口コミを投稿することも可能だ。将来的には、アプリ内でAIがユーザーにカウンセリングを行い、困っている体の症状や病気と食品添加物の関係が分かる機能も搭載したいとする。

片頭痛やうつ病などの社会課題にも挑む

 同社は、ヘルスケアサービスの提供を通じて、人々を「Optimal Health」の状態に導くことを目指している。Optimal Healthとは、「病気」「未病」「健康」のさらに上の最も健康的な段階で、心身ともにいきいきと仕事や生活ができる健康状態を指す。

 既に、過去のヘルスケア事業の成果から、「何をすれば健康になれるのかが分かってきた」と栢氏は言う。特に、風邪や腹痛、頭痛、花粉症、うつ病などは、医薬品で症状は和らげられても根治に至るのは難しい。そのような症状や疾患に対して、食事がカギになることが分かってきたというのだ。

 こうした知見を基に、同社ではさまざまな社会課題へのアプローチも検討している。例えば、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、「特定の添加物や食材が発症に寄与している可能性が高い」と同氏は話す。このほか、片頭痛やうつ病、潰瘍性大腸炎、花粉症なども食生活との関連が明らかになりつつあるといい、こうした課題に食生活の切り口から挑んでいきたい考えを明らかにした。

(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)