「超高齢社会の介護・医療・予防と、まちづくりのために」をテーマとした「Care Show Japan 2020」が、2020年1月末に東京ビッグサイトで開催された。その中から、大学発ベンチャー(VB)が披露したスクリーニング関連の展示を中心に紹介していく。

「リスク判定で無用な不安を抱かないように…」

 広島大学発ベンチャーのミルテルは、わずかな血液から疾患の早期発見や未病状態を測定する2つの検査を紹介した。

マイクロRNA検査で疾患スクリーニングを行う各種サービスを出展したミルテル(写真:Beyond Healthが撮影、以下同)

 一つは、がん・アルツハイマー型認知症の早期発見を可能にする検査「ミアテスト」である。血液中のマイクロRNAを測定する検査だ。各臓器から出る疾患特異的なマイクロRNAなどを検出する。「腫瘍マーカーや画像検査よりも早期(腫瘍が小さい段階)に発見できる可能性が高い」(説明担当者)。

 既に2013年末から膵臓がんのリスクを判定する「ミアテスト膵臓がん」、乳がんリスクを判定する「ミアテスト乳がん」、アルツハイマー型認知症リスクを評価する「ミアテスト アルツハイマー」を提供してきた。

 2019年から男性14種類・女性15種類のがんとアルツハイマー型認知症をセットで検査できる「ミアテスト プラチナ」の提供を本格化した。従来はマイクロRNAの発現量のみで評価していたのに対し、ミアテストプラチナでは次世代シーケンサーを用いてマイクロRNAのすべてのデータを取得し、発現量に配列変化を加味して評価しているという。

 紹介したもう一つの検査が、病気になるリスクを評価する「テロメアテスト」。染色体の最末端部分のテロメアの長さを測定する。

 これらの検査は現在、全国500施設の医療機関を介して検査サービスを提供している。医療機関で採血し、約1カ月後に採血した医療機関を通じて結果を返す。「リスク判定で無用な不安を抱いたり、早期の治療に進められたりするよう、医師による結果説明とアフターフォローを重要視している」(説明担当者)とした。

近日中に正式なサービス開始

 九州大学発ベンチャーのメドメインは、AI(人工知能)を活用した病理画像診断のオンラインプラットフォーム「PidPort」を出展した。大量の病理画像をディープラーニングを用いて学習させることで、高精度で迅速な病理診断を支援する。「近日中に正式なサービス開始を予定している」(展示説明員)。

 病理専門医が在籍しない病院では、採取した細胞組織を専門医のいる施設に送って病理診断を依頼する。この場合、結果が出るまでに1~3週間かかるという課題がある。PidPortではその解決を目指す。

病理をAIでスクリーニングするPidPort

 病理標本をスキャナーでデジタル化した画像をプラットフォームにアップロードすると、1分ほどでAIによるスクリーニング結果が出る。さらに、遠隔病理診断の機能も持っており、国内外の病理専門医によるコンサルテーションを受けられる。

 これまでに共同研究を進めてきた九州大学、広島大学、順天堂大学など、国内外25医療機関から数十万枚のアノテーション付き病理画像の提供を受け、AIの学習能力を高めてきたとしている。