●OUI

OUI 代表取締役 清水映輔氏

 OUIは、スマホアタッチメント型医療機器「Smart Eye Camera」(SEC)と眼科診断AIを開発する慶応義塾大学発のベンチャーだ。SECとAIに遠隔診療を組み合わせることで「世界の失明と視覚障害の根絶」を目指しており、目標として「2025年までに世界の失明を50%減らす」(同社 代表取締役 清水映輔氏)ことを掲げている。

清水映輔氏

 SECは、スマホに取り付けることで、眼科医が角膜や結膜の異常をチェックする「細隙灯顕微鏡」に早変わりするデバイスである。これにAIによる自動診断を適用し、眼科医の遠隔診断も導入することで、誰もがどこででも眼科診療をできるようになる。清水氏は「このAIシステムを使った新しい眼科の診療システムをまずは日本で実証し、それを海外にも広めていく」という考えだ。

 事例としては、眼科医のいない三宅島の中央診療所で、すでにD to Dの遠隔相談に利用されている。海外でもアフリカのマラウイ共和国の医師とパートナーを組み、「SECによる遠隔眼科診断やAIスクリーニングによって、連携病院での手術や投薬治療につなげていく」(清水氏)ことを目指している。最後に清水氏は「眼科医にとっての患者の“失明”は、外科医や内科医にとっての患者の“死亡”と同義である」と語り、「日本から失明をなくしていく」と力説した。

●エナジーフロント

エナジーフロント 代表取締役 上田剛慈氏

 介護される側の目線に立ち、介護のイメージを変えるような製品を開発するエナジーフロント。困りごとを解決したり、身体状態に調和したりする機能を入れ込んだ衣類や雑貨を、ユニバーサルデザインブランド「AUN」で展開している。事業を始めたきっかけについて、代表取締役の上田剛慈氏は「両親の介護で得た経験」を挙げるとともに、苦境にある地場産業との連携によって「新しい未来を作りたい」という願いを挙げた。

上田剛慈氏

 AUNでは、水を弾くシャツや骨折予防のジーンズなど、「サイエンスに基づく隠れた機能を盛り込み、プレゼントしたい(されたい)と感じる商品」(上田氏)を企画・販売している。その中でとくに人気の高い商品が、介護での腰痛対策として生まれた座布団のようなクッション「リフティ・ピーヴォ」である。腰痛の原因になりやすい「人が人を運ぶ作業」を効率的に行える機能を備えており、てこの原理で「自分の体重の2倍の相手まで持ち上げられる」(上田氏)。コンパクトで車いすとともに移動できることから、上田氏は「行先をバリアフリーにできる」と胸を張る。

 新規の取り組みとしては、歩行器用のスリングをリデザインした「スリングジーンズ」を熊谷組とコラボレーションして開発。今後は「いま以上の知名度を向上させるとともに、ラインナップも拡充していく」(上田氏)ほか、さらなる海外展開も進めていく考えだ。