●Medii

Medii 代表取締役医師 山田裕揮氏

 Mediiが提供する「E-コンサル」は、地域医療の専門医偏在問題の解決を目的としたオンライン専門の医療相談サービスである。リウマチ膠原病という免疫難病を専門とする内科医でありながら、自身が自己免疫難病患者でもある同社 代表取締役医師の山田裕揮氏は、これまでの自身の経験と現状の課題に対する痛切な思いから、この事業を立ち上げた。

山田裕揮氏

 山田氏によれば、医師の地域偏在格差は約11倍あり、リウマチ専門医に限れば「約50倍になる」という。この問題を解決するために、E-コンサルでは「医師がオンラインで外部の専門医に相談できる仕組み」を構築し、医療の現状を変えていく考えだ。本来、この仕組みは院内の医師同士で行われていたが、「現状では院内に専門医がいないからこそ、オンラインで実現する」と山田氏は説明する。

 E-コンサルの特徴の1つに、「誰もが回答医になれるわけではない」(山田氏)という点が挙げられる。回答はMediiが認定する400名以上の専門医が対応することで、「質にこだわっている」とのこと。実際、導入した医療機関の医師からは「内容のわかりやすさ」や「スピード感」などが評価されているほか、「医師の確保」や「売り上げの増加」、「コロナ対策」などにも役立っているそうだ。山田氏は「現地に医師が1人いれば、あらゆる医師がそれをサポートすることで、より良い医療を受けられる。そんな世界を作っていく」という強い信念を示した。

●Magic Shields

Magic Shields 代表取締役 下村明司氏

 Magic Shieldsは、高齢者の転倒による骨折の防ぐため、転んだ時だけ柔らかくなる置き床「ころやわ」を開発した。背景には、「高齢者が大腿骨を骨折すると4割がそのまま歩けなくなり、さらにその半分が他の病気を併発して1年以内に亡くなる」(同社 代表取締役 下村明司氏)という状況や、転倒・骨折事故の急増による医療費・介護費の増加がある。

下村明司氏

 下村氏によれば、とくに回復期のリハビリ病棟では「6人に1人の患者が院内で転倒している」そうだ。しかし、従来の対策では不十分で人手不足にも影響を与えていたことから、「歩いているときには硬くて転びにくく、転んだときには柔らかくなって衝撃を吸収する」という機能を備えた「ころやわ」を開発した。

 ポイントは、素材では出せない機能・性能を構造で出す概念「メカニカルメタマテリアル」の応用にある。「大きな力がかかると内部構造が大きく変わり、硬さも一気に変わる」という仕組みにより、フローリングと比較して「衝撃を半分に抑える」一方で「同等の歩行安定性」を実現。下村氏は「衝撃吸収性と歩行の安定性を世界で初めて両立した」とアピールする。

 すでに約20件の利用実績があり、30回以上の転倒が起きているが「打撲や骨折はなかった」(下村氏)とのこと。展開戦略としては基幹病院・コロナ病院からスタートし、一般病院や高齢者施設、さらには一般家庭へと広めていく構想だ。また今後の事業展開としては、人員削減を目的とした「センシングによるデータサービス」や消音・制振・保温用の「新素材」としての活用を視野に入れている。

(タイトル部のImage:寺田 拓真)