研究内容は大きく2つのフェーズから成る

 J-TRC研究は日本医療研究開発機構(AMED)の支援のもと、2024年3月31日まで続く。その内容は大きく2つのフェーズから成る。まず50〜85歳までの認知症ではない人たちを対象に、オンラインによる「J-TRCウェブスタディ」への登録を促す。登録後に15分程度、2種類の認知機能テストを行ない、以降3カ月ごとにサイト上で検査を繰り返す。

 そこから将来的にAD発症のリスク上昇が見られる人を含め、一部参加者を「J-TRCオンサイト研究」に招待。東大、東北大、阪大、国立長寿医療研究センターなど国内7カ所の臨床施設でアミロイドPETスキャンや血液バイオマーカーなどの詳細な検査を実施し、PET画像読影などによりAβ上昇が見られる人は「J-TRCコホート」に登録して定期的な追跡検査を受ける流れだ。

 オンラインで間口を広くする募集方法は、先行する米の「TRC-PAD研究」を参考にした。新美氏はJ-TRC研究の進捗状況について、「2022年1月19日現在で、J-TRCウェブスタディに7540人、J-TRCオンサイト研究に333人が登録した」と話す。傾向としては、60代以上が57%を占める。50代では女性が男性の2倍の数だが、70〜80代では男性の登録者が多くなっている。

新美芳樹氏(出所:J-TRC記者発表会広報事務局)
新美芳樹氏(出所:J-TRC記者発表会広報事務局)
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 「オンサイト検査は毎月実施し、1回の検査につき4〜5人ほどに来てもらった。アミロイドPET検査でAβの上昇が疑われた人は77例で、これは判定が完了した中の25.5%にのぼる。追跡検査することで、Aβがどのような影響を与えるかを引き続き研究していく」(新美氏)