商店街に地域住民が集う“未病院”をつくる――。福井県福井市でそんなヘルスケアビジネス構想が始まろうとしている。病気の治療や介護が必要となる前に、その抑制や健康を維持するための関連サービスが利用できる場を商店街に持たせようというアイデアだ。

 構想を描いたのは、「福井県ヘルスケアビジネス研究会」の医療ワーキンググループ。同研究会は、福井県が設立した「福井しあわせ健康産業協議会」が2019年5月に設置した勉強会で、ヘルスケア産業への県内企業の参入促進を目的としている。

「中国などにある医療院から発想」

 構想した事業プランは、医療や介護、関連サービス企業が有しているサービス・商品・情報をワンストップで利用者(地域住民)に提供する場をつくることである。2020年2月7日に福井市内で開催された「福井県ヘルスケアビジネス研究会 プラン発表会」で同構想について発表した福井厚生病院 理事長の林 讓也氏は、「利用者、医療・介護事業者、企業の三者が日常的に一同に集い、『三方よし』の共有環境をつくろうと考えた。福井市内の多くの商店街には廃業による空き店舗もあり、そうした店舗を活用していこうというプランだ」と説明する。

医療グループのプランを発表した福井厚生病院の林氏(写真:Beyond Healthが撮影、以下同)

 この事業プランの中核となる未病院機能は、「中国などにある未病状態の住民が通う医療院から発想した」(林氏)という。治療が必要になる前に介入支援することで未病の改善や健康維持を目的としている。その機能を商店街の中に設け、参画する事業者がそれぞれのサービスや製品を提供していく。病院経営者である林氏にとって「病院が“ハコ”を持たない医療」の実現だとした。