「正しく恐れる」「ウイルスの顔と性格を知る」「新生活習慣をつくる」「最新の対策技術にも目を向ける」──。新型コロナウイルス感染症から国民が身を守るための日常生活上の心得を、緊急提言としてレジリエンスジャパン推進協議会の「STOP感染症2020戦略会議」(座長:東北医科薬科大医学部感染症学特任教授で東北大学名誉教授の賀来満夫氏)が2月10日に発表した。

 レジリエンスジャパン推進協議会(会長:三井住友海上火災保険常任顧問の江頭敏明氏)は、安倍晋三首相が本部長を務める国土強靱化推進本部によって決定された「国土強靱化基本計画」(2014年6月閣議決定)に基づき、国土強靱化への啓発や民間投資を進めるために開設された一般社団法人。STOP感染症2020戦略会議はそのワーキンググループの1つとして、若年層における麻疹や風疹、性感染症の流行、医療関連施設における薬剤耐性菌の増加、地震や台風などの災害時に発生する災害由来感染症など、昨今ボーダレス化して脅威となっている様々な感染症を未然に防ぐためのソリューション提言を行うことを目的に3年前に設立された。

「STOP感染症2020戦略会議」座長の賀来氏(写真:Beyond Health、以下同)

 今回の提言は、海外から多くの人が訪れ、新興感染症の持ち込みが危惧される東京オリンピック・パラリンピックに向けて同会議が作成・準備していたものを、新型コロナウイルス感染の世界的拡大を受けて急きょ前倒しして発表した。同じコロナウイルスによる感染症である重症急性呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MARS)への感染対策マニュアル作成、新型インフルエンザの流行時の対応経験、最新の知見を踏まえて、「STOP感染症・7つの約束」と題して、新型肺炎を含めた新興感染症の脅威から国民一人ひとりが身を守るために持つべき日常生活上の心得を次のような7項目に分けて提示した。

新型肺炎対策「STOP感染症・7つの約束」
    約束1 正しく恐れる
    約束2 ウイルスや菌の顔と性格を知る
    約束3 “STOP感染「新生活習慣」”をつくる
    約束4 最新の対策技術にも目を向け情報収集する
    約束5 喉元過ぎても熱さを忘れない
    約束6 新型肺炎以外の感染症にも目を向ける
    約束7 防災用品だけでなく、感染症対策用品も備蓄を!

 まず、新型肺炎に関して様々な情報が報道されているが、それに反応して望ましくない対応を取る例も散見されるとして、賀来氏は「中国での大混乱の状況を正しく理解して、正しい情報と知識に基づいて正しく恐れて、正しく冷静に準備をしていくことが必要だ」と強調。アウトブレイク時だけではなく、平時から普段の生活習慣の中で、手洗いをはじめとする感染予防策を実行することこそが、有事のときのワクチンに匹敵すると話した。