「ベジチェック」の有用性を示すエビデンスを獲得していく

 野菜の摂取量を増やす活動としては、キャンペーンを統合して情報発信を強化する「マーケティング」と、アカデミアと連携して技術的なイノベーションやエビデンスを創出していく「アカデミア/イノベーション」の2つを進めている。山口氏は、この2つが両輪となり「相乗的に効果を上げていくことが重要だ」とする。

カゴメが取り組む「野菜の摂取量」を増やす活動
カゴメが取り組む「野菜の摂取量」を増やす活動
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 前者のマーケティングでは、2020年1月から野菜摂取推進活動「野菜をとろうキャンペーン」を展開している。このキャンペーンでは「野菜をとろう、あと60g」というスローガンをキーメッセージとし、メディアを通じた情報発信やスーパーなどでの店頭活動を行っている。さらに、この提案に賛同した19の企業・団体と連携した情報発信を展開するほか、2021年はさらに力を入れてキャンペーンを継続するとともに、行動変容のステージモデルを意識した「自覚」「理解」「行動」に分解した啓発や施策を展開する予定だ。

 後者のアカデミア/イノベーションついては、取り組みの1つに弘前大学COIと連携する「ベジチェック」がある。ベジチェックは「手のひらでセンサーに触れると、数十秒で野菜の推定摂取量を推定できる」(山口氏)という仕組みで、ドイツのBiozoom sevices社と共同で開発。野菜の色素成分であるカロテノイドは皮膚にも蓄積することから、皮膚のカロテノイド量を測定するBiozoom sevices社のセンサー技術とカゴメが蓄積してきたデータを組み合わせることで、「野菜摂取レベル」や「推定野菜摂取量」を表示できる。

 さらに、ベジチェックを弘前大学COIの岩木健康増進プロジェクト健診に持ち込み、ベジチェックの測定値と生活習慣や健康状態の関係について研究している。この研究では「ベジチェックで測定した野菜摂取レベルが高い人は、メタボの指標が健康的」という結果も出ており、さまざまなデータ解析を進めることで「ベジチェックの有用性を示すエビデンスを獲得していく」と山口氏は説明した。また、これらの研究成果も踏まえ、弘前大学COIが事業化を進める新健康チェック・啓発プログラム「QOL健診」にベジチェックが採用されたことから、そこでの実装・検証も進めている。