国産の手術支援ロボットとして注目を集めている「hinotori」。メディカロイド(川崎重工業とシスメックスの共同出資企業)が開発し、2020年8月に製造販売承認を取得した(関連記事:国産手術支援ロボット「hinotori」は、巨人「ダヴィンチ」を凌げるか?)。同年12月には、hinotoriを使った1例目の手術が実施された。

 この手術を執刀し、hinotoriの開発にも携わったのが、神戸大学大学院医学研究科 研究科長 腎泌尿器科学分野教授の藤澤正人氏だ。同氏は、2021年2月19日にオンライン配信で開催された「5Gエコノミー2021」(主催は日本経済新聞社、日経BP)のリレー対談に参加。「AI×5G×手術用ロボットが拓く未来医療」をテーマに、hinotoriの今後の展望などについて語った。

神戸大学大学院医学研究科 研究科長 腎泌尿器科学分野教授 藤澤正人氏(写真:「5Gエコノミー2021」から画面キャプチャ)

 藤澤氏がhinotoriを使って実施したのは、前立腺がん摘出手術。泌尿器科の手術では、手術支援ロボットが急速に普及している。海外製の手術支援ロボットとして「da Vinci(ダヴィンチ)」が有名で、「世界中の病院のさまざまな診療科で3000台以上も利用されている」(藤澤氏)。

 hinotoriは医師の腕となる部分をロボットのアームで代用し、そのアームを離れた場所にあるコックピットから動かすことで手術を行う。手術の状況を確認する映像は、手振れのない鮮明な3D映像によって映し出されるほか、アームの関節の動きもスムーズで操作性が高いことから、「これまでよりも精緻な手術が可能になる」と藤澤氏は評価する。

国産初の手術支援ロボット「hinotori」の概要(出所:神戸大学、以下同)

 基本的な仕組みや機能性などはda Vinciと「大きくは変わらない」が、藤澤氏はhinotoriの優位性として、コンパクトかつ冗長軸を持つアームの「操作性の高さ」、手術における「操作スペースの確保のしやすさ」などを挙げる。さらに“国産”という点から、今後の新しい展開において「関連企業と連携しやすい」という点を付け加えた。