京セラ、AuB、京都サンガF.C.の3者は、「腸内フローラ」を軸とした共同研究を進める。2020年2月25日に開催した記者会見で発表した。

 3者の役割は次のようになる。京セラは企業の健康経営、健康寿命延伸につながるビジネスモデルの検討の他、腸内フローラの状況を“匂い”で判別するデバイスの開発を行う。AuBは腸内フローラの検査・分析、食事やサプリメント摂取の個別指導。そして京都サンガF.C. U-18(以下U-18)の選手たちが便をAuBへ提供し、その分析結果をもとにパフォーマンス向上へのヒントを探る。

京セラ 執行役員上席 研究開発本部長 稲垣正祥氏(写真:小口 正貴、以下同)

 冒頭、京セラ 執行役員上席 研究開発本部長の稲垣正祥氏はプロジェクトの経緯について説明した。2018年、京セラは京都大学発のEV(電気自動車)ベンチャーのGLMと次世代EVのコンセプトカーを共同開発。GLMのCOOを務めていた田中智久氏(現在はGLMを離れている)を介してAuB 代表取締役の鈴木啓太氏と知り合った。「京都のおばんざいやで会食して意気投合した。京都サンガF.C.もあるので何か一緒にやりましょうと。そこが始まりだった」(稲垣氏)。

 鈴木氏はサッカー元日本代表の名選手であり、現役時代はJ1の浦和レッドダイヤモンズ一筋で過ごしたバンディエラ(チームの精神的支柱)でもある。2015年10月にアスリートの腸内環境を研究するAuBの設立に関わり、現役引退後の2016年に代表取締役に就任。セカンドキャリアに悩むアスリートが多い中、実業家として着実に歩む姿勢も注目されている。

AuB 代表取締役 鈴木啓太氏

 AuBではこれまで28競技、500人を超えるアスリートから1000検体以上の便を採取し、腸内細菌のデータベースを蓄積してきた。鈴木氏は「それらの知見を用いて、健康×テクノロジー×スポーツによる新たな価値を創出する。アスリートが取り組んでいるコンディション調整法などのAuBが持つノウハウと、健康経営優良法人の京セラが組んで、一般生活者の継続的な健康管理に拡張できるかを検証していきたい」と語った。