デバイスを身に着けることなく、寝具の下に置くセンサーで睡眠状態を管理・改善する──。そんな睡眠サービス「Sleep Concierge」をFiNC Technologiesと帝人フロンティアが開発した。

 Sleep Conciergeは、睡眠センサー「MATOUS SS」と専用のスマートフォンアプリを組み合わせたサービスである。2021年3月1日から提供を開始した。MATOUS SSはオンラインショッピングサイト「FiNC MALL」を通じて1万9800円(税別)で販売し、専用アプリは「App Store」と「Google Play」を通じて無料で提供する。

睡眠センサー「MATOUS SS」の使用イメージ(出所:FiNC Technologiesと帝人フロンティア、以下同)

 MATOUS SSは、就寝時に寝具の下に置くだけで、センサー内部に搭載した圧電素子によって体動情報を計測することができるセンサーである。専用アプリでは体動情報を解析して、独自のアルゴリズムで入眠から起床までの時間や睡眠有効率、寝返りの回数、呼吸数など8項目を使って睡眠の質を「睡眠スコア」として評価する。

専用アプリ画面イメージ

 睡眠スコアを基に、専門家が監修したアドバイスを受けられる機能も搭載している。例えば、途中覚醒が確認できたユーザーに対しては、「就寝中に目が覚める途中覚醒が何度も起きるのは、睡眠が浅く安定していないことを意味しています」といったアドバイスが送られる。このほか、睡眠の質やバイタルサインはグラフとして表示される。

 Sleep Conciergeの専用アプリは、FiNC Technologiesが提供するヘルスケアアプリ「FiNC」と連動することもできる。FiNCで管理する運動情報や食事内容に、詳細な睡眠情報を統合することが可能というわけだ。

FiNCが進めるDX支援の第1弾

 帝人フロンティアではかねて、日本人の5人に1人が何らかの悩みを抱えている睡眠に着目し、ウエアラブルやセンシングの技術を用いたソリューションを検討してきた。特に昨今、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で不規則な生活になりがちな状況が続き、「生活習慣が乱れ、睡眠の質が低下していることが問題」と帝人フロンティア 取締役執行役員 技術・生産本部長 兼 新事業開発室長の重村幸弘氏は指摘する。

帝人フロンティア 取締役執行役員 技術・生産本部長 兼 新事業開発室長の重村幸弘氏(写真:オンライン記者会見の画面キャプチャー)

 睡眠不足を懸念するのは、疾患発症のリスクが上昇したり、生産性や創造性が低下したりする恐れがあるからだ。そこで同社は、2018年からFiNC Technologiesと共同事業を開始し、今回のサービス開発に至ったという。

 一方FiNC Technologiesは、これまで事業を展開してきた予防ヘルスケアの領域に関する知見や技術などを活用し、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援する「FiNC DX」を推し進めていきたいとしている。今回のサービス開発は、その第1弾の成果というわけだ。

 今後は、FiNCアプリのOEM化や事業コンサルを進めていきたいとしている。例えば、企業が提供するアプリの開発や知見提供をFiNC Technologiesが行うことなどを想定している。

(タイトル部のImage:monsitj -stock.adobe.com)