紫外線照射で10秒以内に細菌やウイルスを死滅させる

 次に、ミヤリサン製薬事業戦略部長の高橋志達氏は、腸内細菌のバランスを整えることによる感染症防御の可能性について説明。同社は体に良い効果をもたらす微生物、プロバイオティクスとして酪酸菌を製造販売しており、腸内細菌の働きについて解説した。

ミヤリサン製薬事業戦略部長の高橋氏

 近年、腸内細菌と様々な疾患との関連が徐々に明らかになってきている。感染性胃腸炎や炎症性腸疾患といった消化管の病気ばかりではなく、自閉症や多発性硬化症などの多様な疾患との関係が分かってきている。酪酸菌は腸内で酪酸という「短鎖脂肪酸」を作り出している。こうした短鎖脂肪酸は、体に取り込まれ、腸管粘膜のエネルギー源になるほか、水分吸収や腸管上皮細胞の増殖を促進したり、唾液腺からのIgA分泌を促して口腔や喉頭で抗ウイルス作用を発揮したり、制御性T細胞の増殖・活性化を促して炎症を抑えたりするなど多様な機能が分かっている。

 高橋氏は、免疫機能の活性化にもつながり、感染症防御にも効果を示す可能性があると説明した。平時から、腸内フローラを整えることで、災害時にも備えられるとした。感染症対策の一つとしてプロバイオティクスも大切になりそうだ。

エネフォレスト代表取締役の木原氏

 最後に、エネフォレスト代表取締役の木原寿彦氏が、自社で開発販売している「エアロシールド(AEROSHIELD)」という紫外線による微生物除去装置について説明した。木原氏は、接触感染や飛沫感染は対策があるものの、空気感染は一般的な対策が難しいと指摘。ティッシュ箱くらいの大きさで3kgほどの装置を天井に設置すると、この中に室内で対流する空気を取り込み紫外線照射。10秒以内に細菌やウイルスを死滅させる。

 医療機関を中心に導入を進め、今では幼稚園や保育園、学校の給食センター、飲料工場、コールセンター、デパート、駅などに設置を増やしている。新型コロナウイルスの影響では、福岡県の中国駐福岡総領事館から依頼を受けて、ビザ申請の事務所に設置。「感染症対策はインフラである」と強調した。

 こうしたイノベーションによって感染症に強い社会を作っていくことになる。

(タイトル部のImage:飯塚 寛之)