シーメンスヘルスケアは2021年4月1日、移動式大型車両に先進的な医療設備を搭載した「Medical-Connex(メディカル・コネクス)」の販売を開始した。モビリティの機動性に加え、災害時でも平時でも利用できる汎用性を備えている点が特徴だ。

 4年前の2017年4月、シーメンスヘルスケアは医療法人の伯鳳会グループと「救急災害医療を中心とした医療機器の運用およびサービスに関するパートナーシップ」を締結。伯鳳会グループは兵庫県赤穂市に本拠を置き、兵庫県、大阪府、東京都、埼玉県で病院、クリニック、介護施設、看護施設を展開している。本パートナーシップに基づき、グループ傘下の東京曳舟病院にメディカル・コネクスの1号機導入が決定した。2021年秋頃の完成・納入予定をめざす。

左がシーメンスヘルスケア 代表取締役社長 森秀顕氏、右が伯鳳会グループ 理事長 古城資久氏(写真:小口 正貴、以下同)

 東京曳舟病院は東京都指定の災害拠点病院、ならびに東京DMAT(災害派遣医療チーム)指定病院として高度救急医療の体制を整えている。これまでの災害医療活動実績は新潟中越地震(2004年)、能登半島地震(2007年)、秋葉原通り魔事件(2008年)、東日本大震災(2011年)、熊本地震(2016年)、西日本豪雨(2018年)などがある。2020年には新型コロナウイルス感染症関連で武漢チャーター機やダイヤモンド・プリンセス号への派遣も実施した。

 こうした背景から、東京曳舟病院では災害時に車両での移動が可能な医療設備の必要性を感じていた。被災地の医療機能が損なわれた場合、被災地から域外への搬送が困難であり、仮に域外搬送が可能でも優先順位の選定に苦慮することがこれまでの救援活動から見えていたからだ。そこでCT装置、生化学分析装置、画像診断システムなどを搭載したトレーラートラック型診療所の検査用車両、そして電源用車両の導入を企画。メディカル・コネクスはシーメンスヘルスケアとの共同開発により生まれた日本発のモビリティ医療ソリューションとなる。