ファストウォーキングの注意点は4つ

 後藤氏は「コロナ禍により、日本だけでなく世界中の調査でも活動量が低下していることが明らかになっている。これから肥満やストレスの増加など、今後の影響が懸念されている」とした。アシックスジャパンによれば、コロナ禍ではウォーキングをする人は2割ほど増加しているという。後藤氏は「運動効果は続けることで現れる。歩くことは誰でも取り組みやすい。運動をする時間があまりない人、筋力が小さい女性などにはファストウォーキングが適している」と話す。

 後藤氏とアシックスジャパンは、時速4km程度の比較的ゆっくりした歩きと、時速7km程度のファストウォーキングを3分ずつ繰り返すインターバル方式を勧める。「時速7km」とは、歩く速度を速めていった場合に“自然と走り出したくなる速さ”に相当し、歩く速度としてはかなり速い。走り出したくなるところをあえて跳ねずに歩くことで、ひざ下を効果的に利用できるとする。

発表会の中で実際にファストウォーキングを体験する朝日奈央さん(中央)と指導するアシックス スポーツ工学研究所 主席研究員の市川 将氏(右)。肩の力を抜き、ひじの引きを意識することで歩幅が大きくなり、時速7kmという速さでも意外に歩けるという。インターバルの3分間という時間も、頑張り過ぎずにできるポイントになるようだ。ファストウォーキングのブランドアンバサダーを務める畠山愛理さん(左)は「ファストウォーキングは日常の中に取り入れやすい。(通勤時などに)一駅歩くという場合もファストウォーキングを実施できる」として日常生活として取り組むことを勧めていた

 ファストウォーキングの際の注意点は、(1)軽く息が上がる程度の強度、(2)ひじをしっかりと後ろに引き、腕の振りを大きくする、(3)歩幅を大きく、(4)よい姿勢を保つ(背筋を伸ばして目線をまっすぐにする)の4つ。時間について、後藤氏は今後の研究課題としながら、一般的にはゆっくりした歩きとファストウォーキングを併せて30分程度(インターバルの場合は4~5セット程度)行うのがよいと考えられるとした。また、朝、起床後にウォーミングアップしてから実施すれば、日中、食欲を増進させるホルモンのグレリンの分泌が抑えられるとする。頻度については毎日行うことも可能で、1週間に3~4回程度を目安とする。

 アシックスジャパンでは、歩くことは究極のスポーツであるとしてファストウォーキングを提唱していくとする。同社では、ランニングシューズに比べて靴底に適度に硬さをもたせ、材料や構造などの工夫によって地面をけり出す際に反発感を生じさせて前に進みやすくしたウォーキングシューズを提供するなど、多くの人がスポーツやトレーニングとして歩くことを取り入れられるよう、サポートしていくとする。

ファストウォーキングに推奨するアシックスジャパンの「GEL-MOOGEE SP」シリーズ。中足部に凹みがあり、たわんで前足部が自然に持ち上がることで歩行時のエネルギーロスを抑える構造を採用する(写真:アシックスジャパン)

(タイトル部のImage:出所はアシックスジャパン)