日本画像医療システム工業会(JIRA)の会長である山本章雄氏(富士フイルム 執行役員 メディカルシステム事業部 副事業部長 兼 富士フイルムヘルスケア 代表取締役社長)が、「2021国際医用画像総合展(ITEM2021)」で2021年度のJIRA活動基本方針について発表した。会見では2021年1月に発表した会長年頭所感で掲げた重要課題を基に、進捗状況を踏まえて今年度の活動基本方針としてあらためて発表した。

JIRA会長の山本章雄氏

 年頭所感では、コロナ禍による社会の変化からニューノーマル時代の新たな価値提供を目指し、次の4つの重点項目を設定していた。(1)DX(Digital Transformation)の拡大、(2)医療従事者の業務効率向上への貢献、(3)感染防止対策の啓発、(4)会員企業の環境変化に伴う共通課題への支援(製品プロモーション、人材育成など)である。

AIの社会実装に向けた個人情報の明確化へ

 (1)のDXの拡大では、特にAI(人工知能)の社会実装、データの利活用、サイバーセキュリティーなどを行政やアカデミアとともに推進していくことが柱である。この中でAIの社会実装に向けた活動として、日本医療研究開発機構(AMED)委託事業の「医療機器等に関する開発ガイドライン策定事業」において、JIRAは人工知能分野の開発ガイドライン策定に参画した。

 開発ガイドラインの中には、「深層学習で生成されたAI学習済みパラメーターは個人情報には当たらない」との記載がある。JIRAの策定参画によって記載されたものだが、医療機関やJIRA会員企業からは、個人情報保護法の法解釈としても問題はないのかという声が寄せられていたという。「開発ガイドラインに記載されたのはいいが、個人情報保護法の法律上も確かに個人情報には該当しないと確認する必要がある。アウトプットも個人情報に当たると解釈されると、開発してきたことが徒労に終わる危険性がある」(山本氏)からだ。

 そこで、JIRAの要望により個人情報保護委員会であらためて検討するよう付託された。「法律を遵守した上で、良い製品を開発・提供し医療に貢献することが、我々の使命。会員企業や医療機関に迷惑が及ばないよう取り組んでいく」(山本氏)とした。