フィリップス・ジャパンは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の重症度に応じたソリューションをパッケージ化して提供する。2020年4月28日に開催したオンライン記者会見で明らかにした。

 重症度別に、(1)ホテルなどに滞在する無症状・軽症者向け、(2)医療機関や特別施設で治療を受ける中等症患者向け、(3)ICUでの治療を必要とする重症者向け、の3種類のパッケージを用意する。

フィリップスが提供する重症度別ソリューションのイメージ(出所:フィリップス・ジャパン)

 これらのソリューションについては、既に医療機関や自治体から多数の問い合わせがあるという。同社 代表取締役社長の堤浩幸氏は、「COVID-19とは長期的に付き合う可能性もあると想定し、今後も継続的かつ柔軟に最適なソリューションを提供していく」と意気込んだ。

「SOSボタン」をベースに新たに開発

 (1)の無症状・軽症者向けソリューションでは、呼吸苦の軽減や精神的に安心してもらうことを目的として、パルスオキシメーターや酸素濃縮器、汎用型人工呼吸器、「SOSボタン Lite」を提供する。このうちSOSボタン Liteとはナースコールのようなもので、ボタンを押すと施設内にいる人や地域の医療スタッフにスマートフォンアプリで通知を送信できる。無線を使用するため配線工事などは必要なく、ナースコールのない施設でもすぐにシステム構築が可能だという。

SOSボタン(出所:フィリップス・ジャパン)

 同社はかねて、AEDが必要な場面に遭遇した際にSOSを通知できるデバイスとして「SOSボタン」を提供してきた。国立循環器病研究センターと共同で行っている「健都Heart safe ciryプロジェクト」など数カ所で導入されている(関連記事:「健都Heart safe cityプロジェクト」が始動)。

 SOSボタン Liteは、SOSボタンをベースに、COVID-19に特化したボタンとして開発した。ホテルなどの専用施設に滞在している人や、独居の高齢者に使ってもらうことを想定している。

 無症状・軽症者向けとしてはこの他、遠隔問診のサポートも行う。遠隔問診とは、患者が医療機関を訪れる前に症状を評価して、来院すべきかをスクリーニングできるソリューションだ。

 具体的には、来院希望の患者に対してパソコンやタブレット端末、スマートフォンを通じて問診を行い、問診結果をクラウドにアップロードする。クラウド上で患者の症状が分析され、分析結果や受け入れられる患者数などの状況も踏まえて、医療機関が来院の優先度をつけ、患者ごとにフォローアップをする――という具合だ。来院前に患者をスクリーニングすることで、医療崩壊や院内感染のリスクを抑えることが期待できる。

問診画面のイメージ(出所:フィリップス・ジャパン)

 スマートフォンアプリを通じて患者に毎日の状態を記録してもらうことも可能だ。日々の体調を医療機関でモニタリングできれば、急な変化に対応することもできる。既に海外では導入事例があるという。