充電不要の活動量計「MOTHER Bracelet」が2022年8月をめどに発売される。開発を手がけたのは、リラクゼーションスタジオ「Re.Ra.Ku(リラク)」を展開するメディロム。クラウドファンディングサイト「Makuake」で5610万8800円の応援購入支援を集めた注目製品で、2022年5月8日から先行予約を開始する (関連記事: 充電不要ウエアラブルは、“サロン経営”の知見から生まれた)。

 5月2日には東京・お台場で完成披露発表会を開催した。MOTHER Bracelet開発責任者の植草義雄氏は「コロナ禍によってヘルスケアのウエアラブルマーケットは急成長しているが、その一方で課題が浮き彫りになった」と指摘。その課題とはウエアラブルデバイスの充電忘れだと言う。

メディロム MOTHER Bracelet開発責任者 植草義雄氏(写真:小口 正貴)
メディロム MOTHER Bracelet開発責任者 植草義雄氏(写真:小口 正貴)
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 「スマホ、PC、ワイヤレスイヤホンなど多数の充電をケアしなくてはいけない中で、活動量計はどうしても忘れがち。いざ使おうと思ったときに充電されておらず、継続利用をやめてしまう人が少なくとも30%はいるとのデータがある」と植草氏。さらに充電中はデータをロストするダウンタイムが発生してしまうことから、より正確な計測に結びつかないデメリットもある。

 「24時間365日、体の状態をモニタリングするためには充電不要が理想になる。我々は2018年からこの課題を解決するために開発を重ね、約4年をかけてMOTHER Braceletの完成に至った」(植草氏)

「自分の健康活動で得た成果を社会に還元」

 米シリコンバレーのスタートアップ、MATRIX INDUSTRIESと連携して開発したMOTHER Braceletは、MATRIX社の独自特許技術の温度差発電を搭載。外気と体表温に1度でも温度差があれば発電可能という本技術は、200年前に発見されたゼーベック効果(熱電効果の一種)を応用したものだ。これに太陽光発電を加え「常に発電して活動量計を装着し続けることが可能になった」と植草氏は話す。

 計測できる項目は睡眠、心拍数、体表温、歩数、消費カロリーと一般的だが、電池切れを気にせず使える気楽さは他デバイスにはない強みだろう。定価は税込み4万4000円となっている。

 MOTHER Braceletにはもう1つの特徴がある。健康活動の成果が「エナジー」という名前のポイントでアプリに蓄積され、そのエナジーを誰かのために贈ったり、社会的に意義のある活動に寄付したりすることができる。「活動量計はこれまで、パーソナルな機器だった。しかしMOTHER Braceletを通じて、自分の健康活動で得た成果を社会に還元できるようにするのが狙いだ」(植草氏)。

健康活動で得たポイントを寄付できるプラットフォームを構築(写真:小口 正貴)
健康活動で得たポイントを寄付できるプラットフォームを構築(写真:小口 正貴)
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 応援先の第1弾では、「神山まるごと高専(仮称)設立プロジェクト」、タレントの紗栄子さんがプロデュースする被災地支援活動団体の「Think The Day」、女優・タレントの藤原紀香さんが主宰する「Smile Please世界こども基金」と提携。植草氏は「単なる活動量計ではなく、世界の健康をつなぐプラットフォームとしてMOTHER Braceletを役立てていきたい」と結んだ。

充電不要のコンセプトにBtoB領域からの問い合わせ多数

 ゲストには、Smile Please世界こども基金でMOTHER Braceletと協力体制を結んだ藤原さんが登場。MOTHER Braceletについて問われると、「充電切れを気にせずに継続してデータを記録して数値化できることは、健康管理にとって非常に大きなメリット。画期的なデバイスだと思う」と感想を述べた。

記念撮影に応じる植草氏と藤原紀香さん(写真:小口 正貴)
記念撮影に応じる植草氏と藤原紀香さん(写真:小口 正貴)
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 藤原さんは機器の性能と並び、ポイントを寄付して他者のために貢献するプラットフォームにいたく感動したと話す。

 「自分のために動いて貯めたポイントを誰かの役に立つことに使える。その仕組みを知って、体を動かすモチベーションが一層高まるのではないかと感じた。私なら『もう少し走れば、誰かの笑顔につながる』と考える。日本人は寄付やボランティアに対する照れがあるが、このプラットフォームを使えば、自分を健康にしながら意識することなく社会貢献ができるはずだ」(藤原さん)

食や健康には意識的だけに、「充電不要の活動量計はありがたい」と話す藤原さん(写真:小口 正貴)
食や健康には意識的だけに、「充電不要の活動量計はありがたい」と話す藤原さん(写真:小口 正貴)
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 充電不要のコンセプトは病院、介護施設、タクシー業界などのBtoB領域からも問い合わせが多いという。活動量計の市場はレッドオーシャンだが、寄付プラットフォームや法人市場からの期待なども含めると、新たな可能性を切り開くウエアラブルデバイスと言えるかもしれない。

(タイトル部のImage:小口 正貴)