NPO法人ジャパンハートは、医療機関や医療従事者と企業をつなぐ「ジャパンハート ソーシャルネットワーク」を2020年4月末に設立した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るう中、ネットワークに登録した医療機関や医療従事者からの「物資が不足している」「調達したい」「届けてほしい」などの声を支援企業につなぎ、必要な物資・サービスを適材適所に届けることに役立てる。同年5月1日にオンラインで開催した記者会見で概要を明らかにした。

 ネットワークには、現在(2020年5月1日時点、以下同)までに600人以上の医療従事者が登録している。支援企業としては、cotree、ラクスル、オイシックス・ラ・大地、日本交通、ライフスタイルアクセント、オルビス、ロート製薬の7社が参画。「今後、もっと多くの人と企業をつなぐネットワークにしていきたい」とジャパンハート 最高顧問 兼 ファウンダーの吉岡秀人氏は意気込む。

ジャパンハート 最高顧問 兼 ファウンダーの吉岡秀人氏(写真:オンライン記者会見のキャプチャー、以下同)

 これまでジャパンハートは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、医療現場にマスクを届けるための「#マスクを医療従事者に」プロジェクトを実施してきた。クラウドファンディングやチャリティーオークションを通じて1万5000人以上の支援者が集まり、約1億5000万円の資金を調達した。この資金で約200万枚のマスクを調達し、現在までに609の医療機関へ配布することが決まっているという。

 このプロジェクトを通じて医療現場の声を聞いたところ、新たな課題も浮き彫りになった。具体的には、(1)マスクだけではなく個人防護具(PPE)全般や綿棒、手袋なども圧倒的に不足していること、(2)医療機関での物資の管理や外部との連携体制が十分整っていないこと、(3)感染症指定医療機関だけでなく介護施設や在宅医療施設でも医療物資の不足が深刻化していること、が挙げられる。

 特に(3)については、フランスの介護施設で感染が広がり、多くの高齢者が命を落とすなど深刻な事態も起きているとし、「感染爆発や医療崩壊を止めるためには、感染症指定医療機関以外にも支援が必要」と吉岡氏は強調する。

 こうした実情を目の当たりにし、ジャパンハートでは、マスクを医療従事者にいち早く届けて感染を抑制することから、医療や介護の現場に適切に物資を配布することへと目的を切り替えた。さまざまな事業を手掛ける企業に協力してもらうべく、ジャパンハート ソーシャルネットワークの立ち上げに至った。