フィリップス・ジャパンは、2021国際医用画像総合展(ITEM 2021、2021年4月16~18日、パシフィコ横浜)で“Together, we make life better”というメッセージを掲げ、患者の満足度と医療従事者の診断・治療の満足度を向上させるワークフローの改善を目指したソリューションを展示した。「昨今の機器の進歩や高性能の追求は限界に近づいている。あらゆるモダリティーやソフトウエア、データセンターなどをつないで、患者・医療従事者の満足度向上に寄与するソリューションに焦点を当てた」(ブース担当者)。

 今回はコロナ禍であることから、CTやMRIなど大型画像診断機器の実機展示はなく、各ソリューションのコーナーでディスプレイによるプレゼンテーションを行った。そうした中で実機を展示したのが、2020年6月に国内販売を開始した携帯型超音波診断装置「Lumify(ルミファイ)」である。

限定された実機展示の1つ、携帯型超音波診断装置「Lumify」(写真:増田 克善、以下同)
限定された実機展示の1つ、携帯型超音波診断装置「Lumify」(写真:増田 克善、以下同)
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 Lumifyの特徴は、タブレットが約300g、プローブが約100gと携帯性に優れていること。画像のクオリティーも在宅医療や救急現場などの医師から高い評価を得ているという。

 さらに、遠隔地で超音波検査の情報共有がリアルタイムにでき、施設内にいる専門医が同時に評価したり、手技をサポートできたりする機能も有している。共有できるのは超音波画像をはじめ、術者と指導する側の映像と音声、ガイド機能など。施設内の専門医が手技映像を見ながら、ポインターを使ってプローブを当てる位置などを指示できる。

読影ワークフローの改善に重点を置いたAI活用

 同社が近年、注力しているヘルスケアITソリューションでは、医用画像管理システム「Vue PACS」を中心とした読影ソリューションを展示した。2020年5月に米国のケアストリームヘルスからヘルスケアITソリューション事業を買収して薬事認証を取得した製品だ。同システムの特徴は円滑な読影を目指し、ワークフロー改善にAI技術を活用している点である。その一例が、読影の優先順位を付けるAIトリアージ機能。画像解析の結果を検査リストに反映し、疾患の可能性が高い症例を優先して読影を推奨する。

AI技術を活用して症例に従い読影の優先順位を付けるAIトリアージ機能
AI技術を活用して症例に従い読影の優先順位を付けるAIトリアージ機能
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 MRIのソフトウエアでは、脳神経領域のアプリケーション群などをプレゼン。新たな取り組みとして、CogSmartと共同で提供する脳ドック用プログラム「BrainSuite」を紹介した(関連記事:フィリップスが東北大発スタートアップと提携、認知症の早期予防へ)。AI技術を活用して脳の解剖的な状態と認知機能テスト、生活習慣などの情報から認知機能・脳の健康状態を評価し、脳健康の維持・改善方法のアドバイスを提供していくという。

認知症の早期発見・予防をアドバイスする「Brain Suite」
認知症の早期発見・予防をアドバイスする「Brain Suite」
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(タイトル部のImage:増田 克善)