額に貼る「検温シール」の提案も

 手軽かつすぐに実現しそうなアイデアとして提案されたのが、額にシールを貼って熱があるかどうかがひと目でわかる「検温シール」。青いシールを貼って外出し、37.5度を超えると赤に変化する。果物に貼ってある示温印刷のシールから着想したそうで、不特定多数の人の体温を可視化でき、何よりコストが安いメリットがある。学校や保育園・幼稚園などでの子どもの体温管理、公共施設など検温が義務化された場所での活用を想定する。

額に貼る検温シール

 新型コロナで自宅待機を余儀なくされ、多くの人がスマホ依存型の生活を送っているが、これは肩こりや首の痛みの原因となる。発表者である現役の整形外科医が考案した肩こり解消アプリ「Easy Shoulder」は、プロによる痛みに対する適切なアドバイス、そしてゲーム的要素を採り入れて運動を継続させる。

 「痛みを取るために正しい知識を提供し、リアルタイムで運動に対するフィードバックを行う。痛みが落ち着いてきたら、習慣化できるようにゲームの楽しさによってサポートする。最終的な目標はディスプレイを超えて理学療法士やヨガインストラクターとリアルにつながること。インストラクターとのマッチングや、友だちづくりにも広げていければ」(発表者)。

 企業・団体の参加組からの提案もあった。ビジネスアライアンスは、ミリ波を応用した非接触のバイタルセンサー開発を進めており、このセンサーを見守りやマーケティング、スポーツレッスンに活用したいと考えている。担当者は「現状、非接触センサーはマイクロ波が主力だが、バイタルデータは静止体しか測定できない。しかし、ミリ波であれば複数の動体を対象としてバイタルデータとモーションデータを取得できる。それが利点だ」と説明した。

 こうした特性を踏まえ、現時点での実現性は低いとしながらも、「公共交通機関と連携して乗車時、降車時にバイタルチェックを行い、バイタル異常者の追跡ができるようになるかもしれない」と述べ、新たなテクノロジーによる新型コロナ対策に期待を込めた。

 Community of Thingsは、加湿器にアルコール消毒液を噴射する拡張機能を付加し、店舗や施設規模に応じた除菌対策を披露した。店舗や商業施設は、当然ながら需要があるほど3密の状態になる。ならば3密になることを前提として捉え、感染を予防すればいいと考えたという。

加湿器を利用した、3密前提の感染予防

 オフィスビルや学校、不特定多数が往来する商業施設やエンタメ施設、小型店舗の3パターンに分けてユースケースを紹介。例えば商業施設では「人感センサーで人の動きをチェックして、アルコール消毒液と水蒸気を交互に噴射。1回で終わるのではなく、小刻みに施設を除菌する」と解説した。

 繁盛していた知人の居酒屋が窮地に追い込まれ、そうした飲食店を救いたいとの気持ちからアイデアをひらめいた。「3密は悪魔の言葉のように言われるが、3密こそが経済復興の証。この苦難を乗り越えていきたい」と発表者は力強く結んだ。

(タイトル部のImage:出所はHealthcare Innovation Hub)