医療データを適切に扱える人材が不足している――。

 「21世紀先端医療シンポジウム~医療革命の方向性を知る」(主催:日経BP 21世紀 先端医療コンソーシアム)に登壇した京都大学医学部附属病院 診療報酬センター 准教授の加藤源太氏は、こう指摘する。医療ビッグデータ利活用の環境が整備されつつある中で、それらの医療データに精通し、マネジメントできる人材が不足しているというわけだ。

医療データに精通した人材育成が急務

 実際、医療ビッグデータとしては、「レセプト情報・特定健診等情報データベース」(NDB)や「介護保険総合データベース」などの第三者提供が推進され、さまざまな研究に利活用できる環境が整いつつある。また、2018年5月11日に施行された次世代医療基盤法に基づき、臨床研究の高度化や医療支援に向けた研究・開発にデータを提供する仕組みが実行されつつある。

講演する加藤氏(写真:Beyond Health、以下同)

 加藤氏は、その一方で「こうした医療情報を適切に扱える人材が豊富だとは言い難い」(同氏)と語る。その育成に向けた仕組みとして動きだしたのが、京都大学が2019年10月に開講する「ヒューマンデータ・サイエンティスト養成講座」である。

 同講座は社会人を対象とする。6カ月間京都に滞在し、京大および京大病院で講義・実習、病院見学などのプログラムを行い、後半の6カ月間はフォローアップセミナーを通じて実践力を養う予定だ。「データ分析に欠かせない関連領域の知見に通じたスタッフが、大学病院という医学と医療の両方が高い水準で展開されている場を最大限活用し、ヘルスケアデータを効率的に活用するための知識を包括的に提供する」(加藤氏)。

 前出のような医療データに対するリテラシーの修得に主眼を置くが、生活者の健康データである、いわゆるPHR(Personal Health Record)データを取り込んで扱えるようなリテラシーの育成も視野に入れているという。