フィリップス・ジャパンは、音波式電動歯ブラシ フィリップス ソニッケアーシリーズの新商品「ソニッケアー ダイヤモンドクリーン9000」を2020年5月25日に発売する。1分間に約3万1000回の速さで振動し、手磨きと比較して最大10倍の歯垢除去力を発揮できるという。Bluetoothで専用のスマートフォンアプリと連動し、磨いた回数や頻度、ブラッシングの強さを確認したり詳細な記録を付けたりすることができる。

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン9000(出所:フィリップス・ジャパン)
専用アプリ画面イメージ(出所:フィリップス・ジャパン)

 同年5月20日にオンラインで開催した記者発表会には、同社 代表取締役社長の堤浩幸氏が登壇。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、世の中の健康や衛生への関心が高まっていることに触れ、新しい生活様式を始めるに当たり、「新しいオーラルケアのパターンも作っていかなくてはならない」と述べた。

フィリップス・ジャパン代表取締役社長の堤浩幸氏(出所:フィリップス・ジャパン)

歯垢除去でインフルエンザの発症率が1/10に

 歯の健康を保つことは、全身の健康管理や健康増進に寄与する。さらには感染症の予防にもつながると、記者発表会に登壇した東京国際クリニック 歯科 院長の清水智幸氏は語る。「口は、胃や腸へとつながる管の入口であるため、体の中に大きな影響を与える。口腔内を清潔に保つことが感染症予防につながる」(同氏)。

東京国際クリニック 歯科 院長の清水智幸氏(写真:オンライン記者会見画面のキャプチャー)

 そもそも、感染症を引き起こすウイルスは、周囲をたんぱく質で覆われた構造をしている。ただし、ウイルスが増殖して体に悪影響を及ぼすためには、たんぱく質が切断される必要がある。

 たんぱく質を切断する際には、鼻やのど、口などさまざまな部位に存在するプロテアーゼという酵素が使われる。そして、口の中に存在する歯周病の細菌は、プロテアーゼを産生する能力を持っている。そのため、歯みがきをすることで歯周病細菌が病原性を発揮しない状態を維持することが感染症の予防にもつながるというわけだ。

 さらに清水氏は、人間の免疫に大きな影響を及ぼすとされる腸内細菌叢(腸内フローラ)への影響も説明した。腸内細菌叢にはさまざまな細菌が均衡状態を保って存在しているが、この均衡状態が乱れてしまうと、便秘や下痢を引き起こし、病気へと進行する恐れがある。そして、腸内細菌叢は、口腔内環境の影響も受けることが分かっている。

 例えば、口の中で歯周病細菌が増殖してしまうと、腸内細菌叢のバランスも乱れてしまうというのだ。特に、歯周病細菌によって2種類のウイルスの混合感染が起きてしまうと、「インフルエンザならば重篤化するという報告がある」と同氏は説明した。

 逆に言えば、歯みがきで口の中を清潔に保つことで全身の健康管理・健康増進を図ることができる。実際、日々の歯みがきに加えて歯科診療所で歯周ポケット(歯茎の内側)の歯垢を除去した人は、インフルエンザの発症率が1/10以下に下がることが分かっているという。

 COVID-19についてはまだデータが出ていないが、ウイルスが体に悪影響を及ぼす際には、必ずプロテアーゼが必要になる。つまり、手洗いの励行やマスクの着用と同様に、「歯みがきによって口の中をきれいに保つことが、COVID-19の対応策にもなると考えている」と清水氏は語る。