「麻酔科医の業務負担が劇的に軽減される」

 会見で重見氏は、ロボット麻酔システムのこうした機構を「クルマのアクセルとブレーキを自動制御するオートクルーズのようなイメージ」と言い表した。高速道路などでの巡航運転が楽になるように、「麻酔科医の業務負担が劇的に軽減されると考えている」(同氏)。

会見に臨む共同研究チームのメンバー(写真:Beyond Health)

 麻酔科医の生体情報の目視、手動によるシリンジポンプ操作などにおけるヒューマンエラーを低減でき、手術中の患者の状態管理に集中できるようになる。このため、医療安全の向上も期待できるという。

 全身麻酔の手術件数は年々増加傾向にある一方、麻酔専門医は全国的に不足しているとされる。重見氏は、「麻酔科医の働き方改革と医療の質の担保という重要な2つの課題を、ロボット麻酔システムが解決してくれるだろう」と強調した。

 目標とする60症例(自動制御群30例、手動群30例)の臨床研究は福井大学と国立国際医療研究センターで実施しており、会見時で既に20症例程度が終了。2019年9月末までに全症例を行い、2020年度には両病院で医師主導治験を実施する予定だ。2021年度以降に日本光電が薬機法申請を行い、翌年度には販売したい意向という。

 並行して、ロボット麻酔システムを安全に使用するための認定制度や教育制度を、日本麻酔科学会とのコンセンサスを得ながら検討・構築していくことも明らかにした。

(タイトル部のImage:ロボット麻酔システムのアプリケーション画面、出所は福井大学)