兵庫県の最北部に位置する但馬地域(豊岡市、養父市、朝来市、美方郡香美町、新温泉町の3市2町で構成)。長年にわたって人口は減少の一途をたどり、少子化、若者の流出などにより高齢化が進む中、医療・介護を担うべき人的資源の不足は既に始まり、深刻な状況が間近に迫っている。

 そんな同地域が抱える課題を解決するため、NPO法人「但馬を結んで育つ会」(以下、育つ会)は、「休眠預金」の活用に取り組む一般財団法人社会変革推進財団の助成事業に申請。このほど採択が決まり、2024年3月末までに計4987万5000円の助成金を受けることになった。

 2018年に施行された休眠預金等活用法により、10年以上取引がない預金は、預金保険機構に移管された後、資金分配団体を経て、民間公益活動の促進に充てられる国の制度が2019年度からスタートしている。

 育つ会が目指すのは、医療・介護提供体制の立て直しだ。75歳以上の後期高齢者が急増し、医療・介護の持続性が大きく揺らぎだす「2025年問題」を目前に、医療や介護、福祉、行政との連携を進め、地域で安心して最期まで暮らせるサービス体制づくりに挑む。

 地元の但馬信用金庫と連携して、まずは地域の関係機関を巻き込んでネットワークを構築。その上で、医療・介護現場のICT化や遠隔診療の拡大に取り組むほか、参加施設で地域医療連携推進法人を設立し、医薬品の共同購入や人的交流、医療従事者の共同研修など進めて、経営の効率化や人材育成を図る。

 助成が決まったことを受け、育つ会は5月31日、社会変革推進財団、但馬信用金庫と共に記者会見を開催。代表理事を務める千葉義幸氏(ちば内科・脳神経内科クリニック[兵庫県豊岡市]院長)は、「医療・介護体制が整わないとその地域からはどんどん人が離れていくばかり。但馬のみんなで助け合いながら、これからもずっと暮らしていけるようにしたい」と抱負を述べた。

記者発表会に参加したメンバーと関係者。写真前列中央が特定非営利活動法人 但馬を結んで育つ会 代表理事の千葉 義幸氏(写真提供:一般財団法人社会変革推進財団)
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