スマートフォン(スマホ)で撮影した写真による自動採寸技術「Bodygram」を展開するBodygram Japan(ボディグラム・ジャパン)は、体組成として体脂肪率と骨格筋量を推定計測する機能を開発し、自動採寸アプリ「Bodygram」に新機能として追加した。スマホで撮影した写真2枚(正面、側面)と身長、体重、性別、年齢の入力で体脂肪率と骨格筋量の推定計測値が表示される。2021年6月7日からiOS、Android向けのアプリ「Bodygram」としてダウンロード可能で、無料で利用できる。

写真2枚と体重、年齢、性別、身長により全身のサイズを表示する自動採寸アプリ「Bodygram」に体組成の推定計測機能が追加された。体脂肪率と筋肉量を把握できる。(図:Bodygram Japanの発表会資料)
写真2枚と体重、年齢、性別、身長により全身のサイズを表示する自動採寸アプリ「Bodygram」に体組成の推定計測機能が追加された。体脂肪率と筋肉量を把握できる。(図:Bodygram Japanの発表会資料)
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 同社の自動採寸技術はいわゆるAI(人工知能)技術を使ったもので、DLN(Deep Learning Network)技術を利用して写真から体型を認識し、各部位のサイズを計測する。同アプリでは、従来、全身24カ所のサイズや3Dアバターとして確認できる機能を提供していた。今回、同社が保有する3次元データ情報と体組成データ情報を含む12万件以上の体型データ使った機械学習により、体組成を推定測定する機能を実現、同アプリに追加した。

 2021年6月7日現在の精度は体脂肪率が±2.5%、骨格筋量が±1kgとしており、今後、四半期ごとに行う学習データのアップデートによってさらに精度向上が可能と見込む。「(体組成計などの)ハードウエアと同等精度にできると考えている」(Bodygram Japan CEOのJin Koh氏)。

Bodygram Japan CEOのJin Koh氏(写真: Bodygram Japan)
Bodygram Japan CEOのJin Koh氏(写真: Bodygram Japan)
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 同社では、スマホを使った身体の状態把握や状態管理に注力している。iPhoneが測距センサーとしてLiDAR搭載を進めるなど、スマホが搭載するセンサーの多様化や高精度化が進んでいる。「LiDARなどの新たなセンサーにも興味を持っている」(Koh氏)と、スマホが搭載するセンサーの活用にも積極的な姿勢を示した。

 「(スマホのような)デバイスで体の状態を把握できることが当たり前の世界を目指す。従来、約1000万円する3Dボディスキャナーや10万~15万円する体組成計測機がなければ測れなかったデータをスマホで取得できるようにしたい。アパレルだけでなくフィットネスやヘルスケアなどの領域で、かなりのインパクトになると考えている」(Koh氏)。

「Bodygramを身体情報のプラットフォームに」

 これまで同社の技術は衣類のネット通販といったアパレル業界などで採用されてきた。最近では新型コロナ感染症の影響もあり、非接触での接客ニーズを満たす技術として小売業やサービス業での連携も増加しているという。また、新型コロナ感染症により注目度が一気に高まったセルフケアやウエルネスについては、今後も引き続き関心が高い状態が続き、特に予防医学や検査、回復期のモニタリングなど遠隔医療サービスへの需要が高まるとみる(関連記事:「写メ2枚」が生活習慣病予防の切り札に、オーダーシャツネット通販から飛び出したBodygramの野望)。

 今回、新たに体組成データの推定計測が可能になったことで、Bodygramは生活習慣病や疾病リスクの予兆を早期発見する手がかりとして活用できる可能性が高まっており、「Bodygramは身体情報のプラットフォームになれる」(Koh氏)と今後の領域拡大に意欲を見せた。すべてをスマホやBodygramで完結するのではなく、腕時計型などのウエアラブル機器との組み合わせにより、より様々な遠隔医療サービスなどに貢献できるとみる。

今回のアップデートでは体組成の推定計測機能を追加したほか、目指す体型に合わせて目標を設定しグラフなどに表示する「ボディゴール」機能や各サイズの変化を表示する機能なども追加した(図:Bodygram Japanの発表会資料)
今回のアップデートでは体組成の推定計測機能を追加したほか、目指す体型に合わせて目標を設定しグラフなどに表示する「ボディゴール」機能や各サイズの変化を表示する機能なども追加した(図:Bodygram Japanの発表会資料)
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 同社ではフィットネスやヘルスケア領域でのBtoBに向けて、今回の体組成推定計測機能や別の機能などを搭載する「Bodygram Wellness」の開発を進めている。従来のアパレルに加えて、フィットネス・ヘルスケア領域での用途拡張を目指すとする。

(タイトル部のImage:出所はBodygram Japan)