自治医大の亀田氏が指摘するのは…

 一方、リモートで参加した亀田氏は、「コロナ禍における最新テクノロジーを用いた遠隔超音波システム」について紹介した。亀田氏いわく、医療資源の偏在は以前から続くものだが、現在はコロナ禍によって「通常医療への影響は甚大になっている」そうだ。そのため、最近は「遠隔医療・オンライン診療への期待」が高まっており、実際に多くの医療施設で導入が進んでいる。

自治医科大学 臨床検査医学 講師、救急医学講座(兼任)の亀田徹氏
自治医科大学 臨床検査医学 講師、救急医学講座(兼任)の亀田徹氏
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 このような背景にあって、ワイヤレスに画像をスマートフォンに送ることができ、その画像を医療従事者が共有して医療に役立てられるVscan Airを、亀田氏は「非常にありがたい製品」と高く評価。また、全身の検査に対応できる小型の医療機器は、Vscan Airのような「ポケットエコー以外に存在しない」と補足する。

 遠隔超音波医療を行うにあたって、実際に診断する医師は超音波の専門家だが、遠隔地でエコーを実施する人は「慣れた検者」の場合もあれば、経験の少ない「不慣れな検者」の場合もあり得る。そのため、この不慣れな検者と「どのようにやり取りするか」が今後の大きなテーマとなると亀田氏は考える。

 ちなみに、10年ほど前から肺炎や心不全にもエコーが用いられるようになってきたことから、COVID-19の診療においてもエコーが活用されているそうだ。そして、Vscan Airのような小型かつワイヤレスなポケットエコーは簡単にカバーをかぶせることで「感染対策にも十分に対応できる」(亀田氏)ため、今後の活用が期待される。

 遠隔超音波教育においても、基本的に指導医が不慣れな学習者と一緒に実施することになる。そのため、コロナ禍によって対面指導が難しい状況から「遠隔超音波教育への期待は大きい」ものの、こちらでも「どのようにインストラクションしていくかが課題だ」と亀田氏は指摘した。

 将来、遠隔超音波医療は「さらに進化を遂げる」と予測する亀田氏は、スマートフォンのような「普段から使い慣れたデバイスのみでエコーを実施できるような未来」を熱望する。また教育の現場においても、1人の指導者が複数の受講生に対して遠隔超音波教育を実施できるようなシステムの構築を望んだ。