従来とは違うアプローチで新しいソリューションを

 後半に登壇した経済産業省の西川氏は、「予防・進行抑制・共生型の健康・医療システムを、デジタルの力でしっかり進めていく必要がある」と力説する。「単一標的型疾患」に対するソリューションは20世紀のうちに多く登場したが、「老化に伴う疾患」や「生活習慣に係る疾患」などのソリューションはまだまだ少ないことから、「従来とは違うアプローチや連携で、新しいソリューションづくりを進めることが求められる」(同氏)。

講演する西川氏

 ヘルスケアIT投資の現状を見てみると、日本はその重要性こそ感じているものの、世界と比較すると「規模は小さく、遅れている部分も多い」と西川氏は指摘する。日本でこの分野への投資が進まないのはなぜか。同氏が要因の一つとして挙げるのは、医師や介護士などとIT/AIエンジニアなどを結びつける場がないこと。さらに、同分野のデータをやり取りする場合にはお互いの信頼関係も重要となるため、「それらの課題を解決するような教育や研修が求められるほか、認証制度などでデータを取り扱う事業者の安全性を周知させる必要もある」(同氏)との考えを示した。

 厚生労働省では現在、根本匠大臣のイニシアティブにより2040年を展望した医療・介護の提供体制の在り方を議論している。2040年ともなれば、高齢化だけでなく都心への人口集中などがさらに進む一方で、テクノロジーのさらなる進歩によって社会の利便性も一層向上し、遠隔診療や介護の在り方も現在とはまったく異なったものになっている可能性が高い。そこで、経済産業省としても厚生労働省と協力し、「2040年に向けた取り組みを中長期的で研究・開発していく」と西川氏は語った。

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