新型コロナの受診勧奨にも寄与

 今回使用する医療相談アプリLEBERは、いつでも医師に相談ができるアプリである。現時点で、270人以上の登録医師が相談に乗っている。アプリでは、チャットボットによる簡単な自動問診に答えると、医師から症状に合った市販薬や受診すべき医療機関を教えてもらえたり、自宅でできる対処法などのアドバイスを受けたりすることができる。

LEBERの概要(出所:AGREEのプレスリリース)

 もともとは、医師の不足や偏在に対応するアプリとして2018年から提供してきたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受けて、そのニーズは高まっているという。AGREEによると、COVID-19関連の相談のうち、29.7%に対して医師が受診勧奨をし、38.6%の人が医療機関を受診していることが分かった。つまり、「医師のアドバイスによって適切な受診行動を促せた。“With コロナ”の時代に遠隔医療相談は適していると実感している」と伊藤氏は話す。

AGREE 代表取締役 CEO 兼 医師の伊藤俊一郎氏(出所:AGREE)

 茨城県では、LEBERを通じた医療相談を2020年4月9日から県民に対して無償で提供している。外出自粛によって医療機関に行きにくいと感じる人が、医師に気軽に相談できることを狙っているという。同年6月19日には、筑波大学附属病院の医師がLEBERの医師登録をしたことも明らかにしており、医療相談を通じて地域住民の不安軽減に役立てたい考えだ。

 実は、茨城県では、2018年8月から、子育て世代の健康不安を軽減するためにLEBERを用いた実証実験を行ってきた。この事業では、医師や小児科医が不足していて、不要不急の受診が多いという課題をアプリで解決するため、県内の約830世帯にLEBERを無料で提供した。

 その結果、81%の人が「相談して不安が減った」、76%の人が「相談をして受診を回避できた」と答えたという。相談を受けた医師は、平均3分24秒で相談に回答していたことが分かり、「アプリを使えば短い時間で健康への不安を解消できることが示せた」と伊藤氏は振り返る。