がんに罹患した社員のすべてが現場復帰し、現在も元気に働いている──。経済産業省の「健康経営優良法人2019ホワイト500」にグループ7社が認定されるなど、日本航空(JAL)は先進的な「健康経営」を積極的に推進している。そのJALの健康経営を視察するべく、自由民主党の有志議員で構成される「明るい社会保障改革研究会」のメンバーが、2019年6月20日に羽田空港のJAL施設を訪問。同社の健康推進プロジェクトの概要や実際の取り組みなどに触れるとともに、現場で働く社員との意見交換を行った。

冒頭あいさつする世耕経産相(写真:陶山 勉、以下同)

 明るい社会保障改革研究会は、社会全体で予防・健康づくりを強化することにより「個人の健康増進」「社会保障の担い手の増加」「成長産業の育成」を同時に実現するという、3方良しの「明るい社会保障改革」を目指して2018年12月に設立。今年4月には、予防・健康づくりを社会保障の「第5分野」に位置づけ、「百年健幸」の国づくりを進めるべきとした提言を取りまとめた。

 今回の視察では、経済産業大臣で同研究会のメンバーでもある世耕弘成氏を筆頭に、顧問を務める加藤勝信氏、会長のうえの賢一郎氏、事務局長の佐藤啓氏、幹事の滝波宏文氏と村井英樹氏、メンバーの自見はなこ氏の計7名が参加した。

JALグループの企業理念について語る日本航空・植木会長

 2010年1月の経営破たんから再建したJALは、現在「JALグループは、全社員の物心両面の幸福を追求し、一、お客さまに最高のサービスを提供します。一、企業価値を高め、社会の進歩発展に貢献します」という企業理念を掲げている。代表取締役会長の植木義晴氏によれば、この企業理念を発表した際には「経営破たんした企業が、社員第一とはどういうことか」という疑問の声が内外からあったという。しかし、再建にあたって本当に必要なものは「社員との信頼感」であることを強調し、「トップが率先して健康経営や働き方改革に取り組んでいる」と説明する。

 働き方改革では、「時間制約のある社員や文化背景の異なる社員がフェアに活躍できる環境へ」「持続可能な生産性の高い働き方へ」「より価値を生み出す働き方へ」という3つのゴールを設定。リーダーのコミットメントを示す意味で、2015年当時に社長を務めていた植木氏自らが「ワークスタイル変革」の推進を発信し、取り組みをスタートさせた経緯がある。