溜める機能と出す機能のトラブルがある

 東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腎泌尿器外科学講師の横山みなと氏は、排尿トラブルには排尿症状と蓄尿症状があることを解説した上で、チーム医療で排尿の自立を支援する排尿ケアチームの活動を紹介した。

東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科腎泌尿器外科学講師の横山みなと氏

 尿は腎臓で絶え間なく作られて膀胱に溜まり、膀胱が満タンになると尿道を通って排出される。尿を溜める際には膀胱の筋肉を緩め、尿道は閉めておく。また、尿道の周囲の筋肉が弛緩し、膀胱が収縮することで排尿が起こる。このため、排尿動作にトラブルが起きると、「出しづらい(排尿困難)」「出せない(尿閉)排尿症状」が、また蓄尿動作がうまくできないと、「トイレが近い(頻尿)」「漏れる(尿失禁)」といった蓄尿症状が出現する。

 横山氏は、「膀胱にカテーテルを留置することで、こうした蓄尿症状や排尿症状を改善できるが、カテーテル関連尿路感染症のリスク増加だけでなく、膀胱や尿道が刺激され、人によっては強い痛みを感じたり、認知症など意識低下があったりする患者さんでは、膀胱から抜け落ちないようにバルーンを膨らませてあるのに、無理に引き出そうとして、尿道などに傷を作ってしまうことがある」という。

 そこで、専門的知識を持つ医師、看護師、理学療法士(PT)などがチームで排尿ケアに当たる「排尿ケアチーム」が有効だという。横山氏は、「様々な職種が情報を共有し、患者さんの自力での排尿を目指すことで、感染症の予防や治療、生活の質向上に貢献している」と強調した。